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僕は子猫に手をやり、静かに撫でた。子猫はそれに応えるかのように、またミャア、ミャアと鳴いた。そのときだ。僕はバス通りの向こう側、民家がまばらに立ち並び、田畑が広がる平原の彼方にまばゆい光を見た。
咄嗟のことに僕は息をのんだ。輝く光はまるで小惑星の爆発のようだった。僕は目を固く閉じた。呼吸が止まり、心臓がドクンと脈打った。
しばらくして僕は目を開いた。眩いばかりの光のスパークはもうどこにもなかった。それでも視力が回復し、前方を見据えることができるまでに1分近くかかった。
そして僕は眼前に広がる大草原を見た。僕は草の匂いに包まれた。懐かしい。ああ、僕はいま確かに草の匂いを、地球の匂いを嗅いでいる。温かい陽光とともに僕の心が溶かされていく。
幻聴には違いないが、この世のものとも思えない壮麗で美しい管弦楽が大草原から響いてきた。僕はすっかり弛緩し、暫し我を忘れた。とても心地好い。僕は見たこともない大草原の光の乱舞に幻惑され、酩酊した。
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