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special short・1《チョコとサンタとクリスマス》
/SIDE:Kaito
「海渡、ごちそうさん」
「あ、じいちゃん、ちょっと待って」
夕食の後、食器を片付けた祖父が居間を出ていこうとするのを引き止め、僕は慌てて立ち上がった。
「今日、デザートあるから、まだ座ってて」
「おっ、今日はデザート付きなのか。…だから晩酌がダメだったんだな」
夕食にビールを所望した祖父に、“今日は休肝日”だと、ピシャリと撥ね付けたのは事実だけど…。
「いや、休肝日くらいは作ろうよ、じいちゃん。最近ちょっと飲みすぎだよ」
家で缶ビール1~2本を晩酌するくらいならともかく、外へ飲みに出られたら、どれだけの酒量か把握できなくなる。…いくら年末とはいえ、孫としては、ちょっと看過できない──と思って注意したものの、祖父は素知らぬ顔で再びこたつに入った。
──暖簾に腕押しだな、まったく。
「ところで、デザートは何だ?」
祖父の弾んだ声に、やれやれと首を振る。
──まあ、今日くらいはいいか。
自分に言い聞かせるように思いながら、冷蔵庫から白い箱を出す。
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