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special short・1《チョコとサンタとクリスマス》
「な、なんでおれが、ミニスカサンタなんか着なきゃいけないんだ! アホかお前は!?」
「えー、絶対似合うってば。…紺野って、何気に脚、スラッとしててキレイだし」
そう言うと、綛谷がエビ天をかじって、ニマニマ笑いながら、僕の脚を見る。
──これは、完全に僕をからかってるな。
そうと気づきはしたけれど、綛谷の視界にさらすのが恥ずかしくて、ジャージに包んだ脚を、こたつの布団で隠す。…僕が悪い訳でもないのに、何でこんな、いたたまれない気持ちにならなきゃならないんだ!
「…っ、セクハラだぞ、お前!」
「やだなあ、これくらいでセクハラだなんて。裸エプロンとかじゃないんだし、ミニスカサンタくらいならいいじゃん」
「…はだ…っ!!?」
──な、何てことを言うんだ、コイツは!!
驚きすぎて声が出せなくなり、口をぱくぱくさせる僕を見て、綛谷がにやにや笑う。
「もー、いちいちリアクション可愛すぎだよ、紺野。…もっと凄いことしたくなるんですけどー」
「───」
僕は無言で立ち上がって冷蔵庫へ向かうと、中からクリスマスケーキを取り出して、綛谷の前に、乱暴に置いた。
「それ食ったら帰れ! アホ!!」
捨て台詞を吐き、僕は居間を出た。
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