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♯1 打草驚蛇
♯1 打草驚蛇
潮風に当たりタバコを蒸す、
頭を冷やせ…
なんて言われても考え方が変わるわけがない。
俺は守りたいものを守った、
それだけだ…
大事なものを守ることに理由なんかない。
深い息と吐いた煙草の煙が空に溶けて混ざる。
携帯が何度も鳴る、
着信もメールも通知を見たが返さなかった…
今はただ、1人になりたい。
電源を切りポケットに閉まって、
ただ何となくぼーっと海を見ている…
今は誰かと話す気にはなれそうになかった。
…
「春輝、おはよう」
教室が騒がしいのとクラスメイトに話しかけられて、気怠かった気分が更に怠くなる。
梅雨ってそういう時期なのか、
今日は学校来るんじゃなかったなぁ…
なんて気分にさせられた。
「おはぁ…なんか騒がしくね?」
俺の言葉にクラスメイトが状況を話してくれた、
まぁ簡単に言うと最近来てなかった生徒が久しぶりに学校に来ているから、
みんなが心配して話しかけにきたりと、
普段よりも賑やかに見えたようだ。
よく見れば下級生も上級生もいる。
最近静かだったが、今度はお祭り状態だな。
まぁ、2年生って板挟みだし、両方との関わりを持ちやすいのかもなぁ…なんて思う。
期末テストが次にあったりで気が滅入っているというわけでなく、
俺はただただ、
この胸に痞えた靄を吐き出したかった。
何もする気が起きない…
リュックを背負いなおして教室から出る、
「ちょっと春輝!どこいくの!?」なんてクラスメイトに言われたが、いつもの調子で「用事思い出しちゃった〜♡」なんて言ったら呼び止めもされず…
俺は廊下を早足で歩く。
勢いで知らない生徒にぶつかり、
「チッ…前見て歩けよな」とかって悪態をつかれたが、どうでもよかったし。
「うるせぇ、死ね」と幼稚に小さく言った。
全然聞こえてないけど気持ちが良かった。
下駄箱で靴を履き替えていると、
さらりと黒い長髪の女が俺の横に立つ
「何処へ行くおつもりですか?」
和かな笑顔に虫唾が走る。
勝てる相手じゃないのをわかっているし、
手を出して良い関係でもない為、
深いため息が出ていた。
「出た〜お節介ばはぁ〜♡」
「あら?一つしか歳が違いませんのに失礼ですわね」
彼女は幼馴染の志騎高3年A組「京極ゆかり」という俺が最も苦手とする人物だった。
全く自分の意思を感じられない。
女の子らしさが無い、
そして、この女には…裏切られ騙された。
それに対して俺が怒りを露わにしても動じない…
「家が決めたことですから」
全部この一言でこの女は片付ける。
自分がどうしたいって言葉が一切出てこない。
今も昔もずっと変わらずに、
好きか嫌いかじゃなくて、
やるべきことをやっている。
まるで自分が正義かのように当たり前に言う。
それが大っ嫌いだった。
どれだけ俺の態度が悪くなろうが、
いつまでも変わらない、ただのお人形。
将来は自分が好きな人と結婚する!!
…とかじゃなくて家が決めた人と添い遂げる。
そうやって生きるんだろう。
なんとも可愛くない。
俺は女の子は可愛い生き物だと思っているが、
この女だけは本当に…心底嫌いだった。
まぁ、医者の娘ってとこで利用できる事はしてるけど、あくまでそれだけの関係だった。
無視をして靴を履き替え歩き出すと、
同じように後ろからついてくる…
「授業あんだろ、三年生なんだから出ろよ」
俺の言葉に「まぁ!優しいのですね」なんて手を合わせて微笑む、オーバーなリアクションだ。
「私はあくまで監視ですから、お供しますね」
そして、さらりとそう告げる。
好きで俺についてきてる訳ではないと
知ってしまってからは何も包み隠さなくなった…
家同士の知らないとこでのやりとり。
いつまでも過保護な親…
今はもう慣れたし、どうでも良いのだが、
この女がどうも好きにはなれない。
全部が気持ち悪く見えるからなんだろう…
「まぁいいや…、絵を描きに行くだけだし、ついてくるならくれば?」
「はい」と一言だけ言うと彼女はカバンを既に持っていた、まるで待ち構えていたかのように早々と俺についてくる。
この状況を予想していたんだろうか…?
俺は、ゆかりをバイクの後ろに乗せ、
目的の場所まで走り出した。
…
カシャンッと、フェンスに腰掛ける。
空はどんよりと曇り空だ。
雨の匂いはしないから降る事はないだろう。
「疲れたな…」
なんだか今日は教室までいろんな知り合いがやってきた…久しぶりに学校に来たからだとは思うが、
それにしては心配し過ぎているだろ。
俺が何かしでかすと思ってるのか。
気疲れだけした1日になってしまった。
ずっと見ていなかった携帯…
やっと返事をすると、
大切な人達とのいつも通りの会話に、
胸が締め付けられる。
ここには、「俺の居場所」が出来た。
屋上で寝っ転がると、少しベタつく空気に、
そよぐ風、そっと髪を撫でていく…
気持ちが落ち着くな…
目を瞑ると、あの時の記憶が蘇り
「ハヤトさん…」
大切な人の名前を口に出していた。
触れてくれた手のあたたかさは今でも鮮明に思い出せた。
思いを巡らしていると携帯が鳴り出す。
画面を見ると、全く知らない電話番号だった。
番号を誰かが変えたのかもしれない.
少し警戒しながら電話に出る。
「はい」と一言だけ言うと暫くの沈黙があった。
「誰だ?」
次は強く声に出して言う。
すると電車の音が携帯に響いてきて、その騒音に混ざり、
『古谷薫だな』
と、聞き覚えのない男の声が聞こえてきた。
「誰だって聞いてんだけど」
俺の声に、向こうの男の笑う声がする。
震えているように感じた…気味が悪い。
「何がおかしい」
そう言った瞬間、男は笑うのをやめた。
『ウゼェんだよ…ハヤトさんは…お前のもんじゃねぇから、!!…この腰巾着が!!さっさと消えろ…お前なんか居ない方がハヤトさんの為になんだよ、迷惑かけてんじゃねぇよ』
急に喧嘩越しな声に俺は笑いが込み上げる。
いつかは出て来るだろうなって思っていた、
俺を気に入らないっていう人間が絶対出てくる。
確信していた…
ハヤトさんという存在だからこそ…
俺を煙たがる人間が蛆虫のように湧くんだ。
「喧嘩したいんだろ?どこ行けばいい、行ってやるよ」
いけないことだと頭でわかっている、
大切な人を、友達を、みんなを裏切るのはわかっていた…
でもこれは俺の問題だから
コイツは仕掛けてきたんだ。
最悪で最高な気分だった。
だってそれは、俺が認められた証でもあるから。
ハヤトさんの隣にいられた俺に対する嫉妬なんだろ?なぁ、そうなんだよな?
これを超えたら俺は…
想像すると、血が騒ぐのを感じていた。
1年の時よりも胸が熱くなる。
まさかこんなに高揚した気持ちになるとは思ってなかった。
電話越しの相手が場所を告げる。
俺はそれを聞き、立ちあがると、
「ごめんなさい」なんて誰もいない屋上で
ハヤトさんへの気持ちを口にする。
「よし」と気合を入れ、
指定の場所に誰にも見つからないよう歩き出した…
…
…
人気の無い線路下は落書きをするには丁度良い。
ステッカーやスプレーを用いて、即座にコンクリートの壁を彩る。
グラフィティは俺の憧れであり夢だ。
いつか必ず海外でやってみたい。
本来は夜やるもので、
堂々と日中やる奴は少ない。
当たり前だ公共物を汚しているわけだから、
怒られるだろうし。
何時間も夢中で描いていて、
不意に離れた場所で本を読んでいた、
ゆかりの存在を忘れていた…
何をしてんだか…
俺が視線を送ると気付いたのか「終わりましたか?」と声をかけられた。
「なんか微妙…てか、やっぱダメかも…何やってもつまんねぇ…」
俺は空になったスプレー缶を投げ捨てる。
「そんな日もありますよ」
本に目を通したまま、軽い慰めのような言葉を紡ぐ…俺の事などどうでも良いのだろう。
不意に線路橋の反対側に黒い集団がぞろぞろと歩いてくるのが見えた。
サングラスをずらして見てみると30人は超えるであろう集団だった。
「抗争でしょうか…」
ゆかりが目を細め集団を見つめている。
読み途中の本は栞を挟んでカバンにすぐ詰めていた。
幼馴染だから、こういうとこは気が利くやつだ。
「楽しそうだね、行ってみよっか♬」
好奇心で俺は反対側の橋に移動して
その集団へと近づいて見ることにした。
…
目的の場所にたどり着くと、緑のフェンスに囲まれた場所で視覚に古屋のようなものがあったりドラム缶や障害物も多く、
一見逃げ場がなく感じた。
砂利道ばかりで近くには川が流れており、
喧嘩するには流石に都合が悪い…
変な緊張感か、初夏の暑さか…
じっとりと汗が流れた。
「嫌な感じだな」
俺は誰もいないフェンスの中に、
一歩足を踏み入れた…
その瞬間、後ろから気配を感じ、
身を屈める。
ガコンッとフェンスに金属バッドが減り込むのを見て、
振り向けば色濃い肌に筋肉質な身体を目立たせる為か緩いタンクトップのやけに目立つ鼻ピをしている強面の男が笑顔で俺にバットを向けてきた。
砂利を歩いてくる音がしなかったという事は、どっかに隠れていたようだ。
「挨拶も無しに始めようとしたのか」
フンッと鼻で笑い生意気気味に俺は言う。
この人は確か志騎高の三年生だった筈だ。
ハヤトさんに恨みでもあるのか、
その後ろから、数人ぞろぞろと出てくると
なんとなく見たことある二年生や一年生の姿を見かけた、普通に話したこともあるやつがいるな。
「1人できたんだね?」
ドラム缶の上に座り余裕そうな背丈が低めの弱そうな男が俺に言う、見た感じ知らないやつだったが、声は電話してきた人物だった。
「だからなんだ?俺がどうしようと関係ない、ハヤトさんがくると思ったのか?」
俺がそう言うと携帯をぐっと握りしめ男がチッと唾を吐いた。
「そういう上から目線が嫌いなんだよ…1年から変わらないよな」
それを聞いて思い出す、髪も雰囲気も変わったが、コイツは1年生の時に確かにやりあった筈だ。
結構粘ってくるから覚えていたが、
なんでコイツが…?
「目的はなんだ」
俺が一言そう言うと、黒い髪をザッと後ろに持ち上げる…剃り込みされた彼の頭部には不可解な文字のタトゥーが彫られていた。
「チームを結成したんだよ、お前を潰したくてさ」
そう言って舌を出すそいつの顔は悪人面だった。
久しぶりのこういう雰囲気にゾクゾクする。
ハヤトさんが目的ではなく、
俺に対する喧嘩だった。
みんなを呼ばなくて正解だったな、
なんて不意に思っていると更に5人ほど河辺から向かってくる、15人くらいか…
キツいかもな…
そう思ってるのに、ニヤけた顔が止まらない。
俺が全員シメてやる。
それだけが今この場で俺の感情を支配した。
「さっさと始めよう」
俺が言うと「そうだね」と黒髪の男は笑みを浮かべて「いけ」と辺りの奴らに命令した。
雄叫びを上げ、真っ正面から俺に向かってくる、
こういうの本当に久しぶりだな。
1年生だった頃を思い出すが、
今は違う…
俺はあの人の背中を見て、
あの頃よりもっと、
今の俺は強い。
全力で武器を持った相手にもストレートに拳を振りかざした、普段あまりやらないが今日は人数もいるし怯ませるための一撃。
重たく入った拳は、最初にバットを振りかざしてきた男の腹部に命中する。
そいつが蹲ると周りが一瞬動揺するが
本当に一瞬の事で一気に駆け抜けてくる。
早めに終わらせないと数で押し負けるな…
蹲った男も、また立ち上がってくる。
そう簡単に1発で終わるとは思ってない。
ジンッとした拳を、グーにしたりパーにしたりと動かしながら柔軟させる。
「来いよカスども」
挑発的な言葉を吐き出してから、
四方八方囲まれ、1時間は経ったか…
俺が長く感じるだけか?
結構人数が減った気でいたのだが、
何故か増え続けている…おかしい…
だんだんと息がきれてきた。
ガッと音がして筋肉質の男の腕で首が締め付けられる。
しまった…油断した…!!
拍子にポケットから携帯が滑り落ち砂利道に転がる。
「流石は蛇…か、しぶといなぁ…」
そう言い傍観していた黒髪の男は、
携帯を木刀で勢いよく叩いた、
画面が割れ、電源が落ちる。
最悪だ…
スッとこちらを見てくる、奴の目は生気がないようだった。
俺はどうにかすり抜けようともがくも体格のいい男に後ろから首を絞められ苦しくて息を吸うのがやっとだった。
「終わりにしよっか。」
そうヤツが言った瞬間に身体が解放される。
突然の事で思考が追いつかない、
…なんで解放された!?
その途端、火花が目の前を散り、光の柱が見えたように感じた…
「ッ!?!」
一瞬の出来事で瞬きすらもできない、
足に当てらたソレはスタンガンだった。
身体中に打ち付けられたような痺れが走り、
砂利にうつ伏せに倒れ込んだ。
全く起きれない、声も出ない…
なんだこれ…きっつ…
初めての衝撃にジンジンと身体中に何かが巡り痺れを感じる、全く動けない…
すると、頭にガッと衝撃が来る。
黒髪の男は和かに笑い俺の頭を踏んづけていた。
「ばいばい、薫ちゃん…もう体が一生使い物にならいようにしてあげるね。」
俺が男から薫ちゃんと言われるのが嫌いだって知ってるような口ぶりだった。
俺はこんなとこで終わるなんて、絶対嫌だ…
砂利を掴む。
徐々に感覚が戻り、手が動いたのだ…
「しぶといね、さっさと片付けてやるよ」
視界だけははっきりしていたのでヤツが木刀を俺に振りかざそうとするのが見えた…
「ここまでか」と悔しながらに目を瞑った拍子に、
ブワッと風が吹いたように感じた、
これは屋上で感じた時のような…
穏やかな風…?
「ぐぁっ!!!!」
と、声がして砂利が転がる音が聞こえた。
目を開けると、黒髪の男が地面に横たわっている。
「ナイスファイト、薫ちゃーん♬」
なんて陽気な声が後ろからする、
何が起きたのかと
少しだけ痺れていた体を起こし、
声のした方を振り向く。
赤いサングラスにひょろっこいド派手なヤツ…俺は校内で何度も見たことがあった。
「鷹左右…春輝…?」
「あれー?薫ちゃん、俺のこと知ってんだぁ嬉しいね〜」
とニコニコ笑いながら煙草を吸う。
いつも飴を常備しているのか、
クラスメイトや知り合いも皆がもらっていて煙草のイメージがあまりなかったので、
珍しく感じる。
「なんなんだよ、なんでお前がくんだよ…」
肩を庇いながら黒髪の男はヨロヨロと立ち上がる。
春輝は転がっていたスタンガンを手に取りスイッチを点けたり消したりしている。
「こーいうのは、女の子が護身用にもつんだよー?もしかして君女の子だった?だったらごめんね〜」
なんて、相変わらず不思議な口調だ…
大して話したことはないが印象は強く残っていた。
嫌味ったらしいその口調は、
こんな時でも変わらずか。
喧嘩をする姿も見たことがないし、
志騎高でも皆と仲良さそうな和気藹々とした印象しかない。
ただし、鷹左右兄弟は強いと恐れられていた事だけは1年の時に強く印象付けられていた。
挑戦する前にハヤトさんとの出会いがあり、
全く関わることがなかったが、
やりあっていたら何か変わっていただろうか…
やっと体を座らせられるまで感覚が戻る。
不意に周りの奴らの騒つく声が耳につく。
「いきなり現れたぞ?」
「どっから来たんだ?」
「上空だったと思う…綺麗に足蹴りが決まってた」
「まじかよ、空飛べんの?」
とかって会話だった…
その騒つきを聞いてか春輝はニヤッと笑って
「俺は魔法使いじゃないし、飛べないよー?あそこからきた」
と言って指を刺す。
みんなが指を刺した先に注目すると、
高いフェンスの上にひとり、長い黒髪のセーラー服を着た少女が本を読んでいるのが見えた。
みんな喧嘩に夢中で、まさかそんなとこに人がいるなんて思わず目を見開いてしまった。
「あらやだ……春輝、私に注目を集めないでくださいますか?」
口元を押さえながら上品に言う。
黒髪だからか色白だからか作法が美しく見えた。
だがしかし、フェンスの上とは…
「ハッ…」と思わず体が痛いのに笑ってしまう。
「ざけんな、なんでいきなりテメェがくんだよ!!!!!」
顔を真っ赤にして、さっきまでの余裕の声色も仕草もなくなった喧嘩を売ってきた男が怒鳴る。
「弱ぇー癖にうるせぇなぁ…自分じゃ何も出来ねぇで他人ばっか動かして良い気になってんじゃねぇよ」
急に春輝がサングラスを外し、ヤツにいった。
声のトーンがさっきまでとは違って、
冷酷な雰囲気を纏っていた為、
空気が緊張感に変わり、ピンと張り詰めた…
ボロボロな俺の割れた携帯を広い手渡してくる
「って言うかさぁ、薫ちゃんさぁ…なんで1人でこんな集団リンチにあってんのー?馬鹿なの?」
集団リンチという言葉に引っかかった…
いや、それよりも…
「薫ちゃんは止めろ…」
呼び方が気に入らず、言う。
口の中に入った砂を吐き出すために唾を吐いて、体の体勢を変えポケットに携帯をしまった。
煙草を吸おうとしたがボロボロになっており、そのままグシャッと丸め、
苛立ったまま春輝に話しかけた。
「俺はアイツに呼び出されて戦った…たかが10人や15人くらい俺なら倒せると思った、それだけ」
そう言って春輝の顔を見ると、
一瞬だけ生気を失ったような怖い目をしていた…
「それだけじゃないでしょ」と小さく言う。
さっきまでの一連を見てて何かを感じたのか?
ゾワっとしたが、
春輝はすぐ和かな顔に戻る。
…何がそんなに気に入らないんだ?
そっと俺に煙草を差し出してきた、
「2、3本吸って休んでてよ、薫が弱らせた奴らばっかだから、半分くらいはイケる、…でも数が多いから俺のスタミナじゃ持たないし今日だけ背中預けていい?」
俺は煙草を受け取り、辺りを見回す…
圧倒的に数が増えていた…
最初に感じた人数よりも異常な数に囲まれている。
集中していて全く気づかなかった。
集団リンチの限度を超えている。
「ゆかりーん!」
急に春輝が女に手を振りながら、叫ぶ。
「ワタクシは、ゆかりです」と淡々と女が反論する。
「3分でいいから、薫の事守っといてくんない?」
その声に対し、女がフェンスから軽やかに降り立つ…
「良いですけれどタダで手は貸せません、抹茶…宇治金時が食べたいので、それで手を打ちましょう」
そう言って俺のそばに来る。
コイツらの会話の意味が本気なら俺は相当舐められてんじゃねぇか?
俺が立ち上がろうとすると、
急に女が俺の右足を踏みつけた。
「イッてぇっ…」
あまりの痛さに冷や汗が出る。
「そこばかり狙われていましたのよ、気付きませんでしたか?」
そう言って女は髪を紐で束ていた。
ヤル気なんだろう。
「女に守ってもらうなんて俺は」
と言いかけた瞬間、人差し指で唇を抑えられた。
「3分です、ワタクシが貴方の調子が整うまでに使う時間は3分…それまで動き回らないでください…」
そう言って、ゆかりは俺の右足を硬めの風呂敷でキュッと結び上げる。
気付かないウチに血もかなり出ていたようだ…
止血してくれたのだろう。
「わかったよ」
この2人が口だけだったら、すぐさま動いてやる。
そう思っての言葉だった。
春輝から受け取った煙草を吸うと、
メンソールがツンと鼻筋を通った。
脳内がクリアになる、良いスパイスだ。
「御託は終わったの?」
イライラした様子の男は腕の調子を整えるように無理やり回しては顔を歪めている。
かなり腕に打撃があったのだろう。
「俺さぁ、お前みたいな奴1番嫌い」
春輝が黒髪の男にスタンガンを渡す。
凶器を敵に返して良いものなんだろうか、
誰もがその行動に驚いていた。
「いいの?返しちゃって」
「良いから来いよ、腰抜け…ずっと傍観ばっかしてんじゃねえよグズが」
春輝に言われ表情が冷え切った男は「舐められたもんだ…」とスタンガンをポケットに入れて歩き出す、
「俺は、鷹左右とやるから…お前らは薫ちゃんをやっちゃって、女だからって手加減しなくて良いよ」
そう言って、前にヤツが乗り出してくる。
1年で俺と戦った時は結構動ける奴ってイメージだった…大丈夫なのか?
「さっさとやれ!!!」
そいつが、仲間の男に蹴りを入れる。
ビクついた男が、ゆかりと呼ばれた女に鉄パイプを振りかざしてくる。
華奢な女に何ができるというのか…
しかし、全くその場を離れようとしない。
まさか…正面から受けるつもりか!?
と思った瞬間、ゆかりは身を低くして素早く男の股へと蹴りをヒットさせた、
あまりの衝撃だったのか、男は真っ青になり鉄パイプが手から滑り落ちて砂利の上に転がる。
周りの男達も驚き、
股を押さえて青ざめている奴もいる。
カラカラと滑り落ちる鉄パイプを、
ゆかりは手に取りパイプの真ん中を持つ。
普通なら端を持つだろう。
「真ん中持って戦えんのか?」
ふぅ…と煙草を深く吐きながら俺が口にすると、ゆかりはニコッと笑って振り向いてくる。
「ワタクシこれでも弓道部でして…それに、端を持つ方が多いので雑菌ばかりついていそうですから」
弓道部は別にこの状態で関係はないだろう…
雑菌は確かに皆が端を持つからついているかもしれないが…
今まであまり出会ったことないタイプの女に
かける言葉をなくした、
まぁ、お手並み拝見だな…
男たちが、ゆかりに向かって一直線に走ってくる、
俺はフェンスを背もたれにしていたから背中から襲われる心配はなかった。
ゆかりは、ザッと構えのポーズをとる
よくある溜めの形だ…
するりと男達の攻撃を交わし、
鉄パイプで見事に突く、
あまりの早さに瞬きを忘れていた…
煙草を吸っている場合でもなく、
口に加えたままジリッと灰が落ちる。
ただただ、ゆかりの動きを見ていた。
驚いたのは、パイプを正面から食い込ませ、
人間の首と足に上手く引っ掛け回転させる。
まるでゼンマイを巻くようなパイプの使い方…
女がチアガールとかでバトンを回すような華麗さがあるが…
実際に見ると、そんな可愛いものではない。
体の全身を使っての回しっぷりに、
カンフー映画でも見ている気分になった。
確かにあの男の図体をヤルには女だったら必要なモーションなのだろうが…
「一体何もんだ…」
俺が呟くように言うと、
ある程度余裕が出来たのか、
ゆかりがくるりと此方を向く。
「ワタクシのパンツ見えてしまいました?」
突然の質問に一瞬どう答えるか悩んだが、
見えるもんは見える。
「黒」
と一言だけ言うと、シュンッと音を立ててパイプが槍のように飛んでくる。
フェンスの穴に上手く刺さり、俺の横にパイプが転がる。
殺す気は無いだろうが殺気を感じた。
「残り1分半、早く回復してくださいます?」
笑顔で俺にパイプを投げてくる女か…
…面白い奴だ。
俺は鉄パイプを手に取った。
その瞬間、ガシャンッと向かい側のフェンスに黒髪の男が叩きつけられた。
そうだ、ゆかりに気を取られ過ぎて春輝を見ていなかった。
「怪我一つしてねぇ…」
俺が見たのは、いつの間にかボロボロになった、
威勢の良いあの男だった…
見てない間に何があったんだ?
「ちょこまか避けてばっかで…卑怯な…」
息も絶え絶えにヤツはいう。
「卑怯?卑怯はお前だよな」
春輝は男のポケットからスタンガンを取り出した。
「…いけませんわ、春輝」
それを遮ろうと声かけるゆかりの声とは裏腹に春輝はスタンガンをヤツの腕に押し当て光が走る。
「アァっ!!」と呻いて気絶寸前になる男の頭を春輝は掴んだ。
「死んでくれよ…」
最早、どっちが悪なのかもわからない。
もう一度スタンガンを春輝が押し当てようとすると、ゆかりが即座に走り込み、いきなりスタンガンがパンッと遠くに飛び川へ落ちる。
「春輝、いけません」
「………やだなぁ、正当防衛だよ?」
急に優しい口調に戻る春輝。
さっきまでの調子は何だったんだ?
「もう彼は立てません、負けました。」
春輝の手から彼を引き離す。
ずるりと落ちる奴は目は開いてるが声が出ないのだろう。
さっきの俺と同じ状況だ…
「さぁ、3分経ちましたよ」
ゆかりは結っていた髪をほどき、
俺をまっすぐに見てきた。
パイプを使い立ち上がる。
体は痛いが、だいぶ感覚は戻ってきた。
「もう動けるのー?」
春輝が俺の方に、ゆったりと近づいてきた。
さっき迄の雰囲気は消え去っている。
「春輝、返事してなかったな…今日ぐらいは背中貸してやっても良いぜ」
そういって、背中にポンッと手を当てると、
途端に春輝は嬉しそうに笑う。
「じゃあ、反撃開始だね」
「あぁ」
2人でくるりと背を向け合った、
ザッと30人くらいはいるな…
でも負ける気はしない、
どんだけ足が痛かろうが、
俺にはやるべき事がある。
背を向けながら俺は春輝に話しかける。
「悔しいけど、助かった」
「そういう時は違う言葉が先でしょ」
「…あぁ、ありがとな」
「正解〜それが聞きたかった〜」
「よし、やってやるか!!!!!」
その俺の言葉を合図に乱闘がはじまった。
一斉に周りの男達が俺と春輝に向かって走り出す、
素早くゴッと深い音がするのを聞いて
振り向いてもいないが、
春輝が自ら走り出して男達に向かって行ったのがわかる。
「オラァッ!」「やりぃ〜♬」などと攻撃する度によく喋る男だった。
「背中守る気ないな」
そんな声を聞いて全然連携が取れてない状況に笑いが込み上げた、
あくまで自分のスタイルは崩さない。
いいね、そういうの嫌いじゃないぜ?
ガッと砂利を蹴り、
傷む足を庇って体を捻る。
向かってくる男に庇った足とは反対の足で蹴りをかます。
2人ほど巻き添えに倒れ込む敵を見て満足げな顔をしてると「やるねぇ」なんて春輝が肩を小突く、目があったのでお互いニヤッとしているのが分かった。
自然と楽しいという感情が溢れてくる。
しかし、
しゃべる間もなく、
男たちが次から次へと拳を振るう為、
だんだんと俺達は真ん中に寄り気味になり、
互いの動きを躱さないといけず、
戦い辛くなっていた。
チッと舌打ちする俺に、
春輝が目があった瞬間、
自分を指差した後、更に下を刺す。
屈むってことをいいたいんだろう、
つまり、その瞬間俺が春輝に向かってきたやつをやればいい…
判断すると体がスッと動くことができた、
春輝の屈むタイミングで不意を突かれた男にストレートに拳を顔面に撃つ。
受け身をとってない奴は、ガラ空きだった。
その動きに反対側から俺に向かってきたやつを春輝が蹴り上げ、腹に力を入れられなかったのか、
あまりの痛みなのか地面に這いつくばる男の姿、なんとも惨めだ。
その姿を見た周りの奴らが、
「あいつらヤバくないか」「強い」などと臆する声がする…いつか…ハヤトさんとこうやって並べるのだろうか。
春輝が俺を見てニヤニヤしている。
こいつは俺の足をわかってか、俺の動きをわかってなのか指示してきた。
見た目と反して頭を使ってくるな、
分析しやがって…
そう思う反面、不思議と悪く無い。
格闘の末、30人ぐらいいた奴らは、
全く動けずに殆どが地面に這いつくばり呻いていた…どれぐらいの時間を過ぎたのか…
俺も立っているのは辛い、なんだかんだ強い奴らだったのだろう、春輝も顔が腫れていたり血が出ている。
まともにはくらっていないが、
明日は痣だらけだな…
「スタミナある奴マジ嫌い」
春輝は苦そうな顔で言う。
今回は確かに何度も立ち上がってくる奴らばっかだった…
「くそっ!」
急に事の発端だった男が俺に向かって拳を振りかざしてくる…
スタンガンを浴びたが動けるようになったのか…掌で軽く俺は受け止める。
ヤツも立ってるのが精一杯だったのか軽い一撃。
とにかく、俺はコイツに一発入れたい。
そう思いストレートに頬を殴ると、
砂利の上に奴は転がる。
「もうこんな真似はすんなよな。」
と俺がいうと、
「これで終わりじゃないから…」
そう言って地面に横たわって目を瞑る。
勝った…そう思った瞬間に体の力が抜けて膝から崩れ落ちそうだったが春輝が支えてくれた。
「お前、強いじゃん…」
俺がそう言うと春輝は首を横に振る。
「俺別に強くないよ」
その言葉は嘘ではないという寂しさを感じる声だった、春輝も負けを経験してきたのだろうか。
勝てない奴でもいるのか。
興味が湧いた。
「なぁ、俺とタイマンしようぜ」
俺が春輝の胸に拳を軽くあてると、それを手で下される。
「俺、喧嘩は好きじゃない…卑怯な奴は嫌いだけど…薫みたいなやつは嫌いじゃないから戦えない」
そう言って、薄ら笑う春輝は、とても優しい人のように思えた…
でも何というのだろうか…
春輝に対して何かを言いたいのに上手い言葉が見つからない。
ピピーッ!と軽快な笛の音に
ビクッと俺と春輝が肩を震わすと、
音の先には、ゆかりがいた。
「サツかと思っただろ…」
俺が深いため息をつくと、
ゆかりが深刻な顔で言う。
「その警察が此方に向かってるようなので、早く逃げますわよ、春輝は薫くんを背負いなさい」
ゆかりの言葉に俺が反論する間もなく、
春輝は俺を背にぐっと乗せ上げ小走りにその場から離れる。
「俺も歩ける」と反論したかったが、2人が真剣に走るもんだから変な緊張感に押され無言でその場を後にした…
反対側の橋に差し掛かると春輝は走るのをやめる。
「もういーでしょ」
そういって、ゆっくり歩きだした。
「…情けない人…」
そう言って、ゆかりも歩き出す、それなりに離れたんだろう…俺は急に2人への感謝の気持ちが溢れ、何と切り出そうか悩んでいると、
ゆかりが話しかけてくる。
「足、いかがですか?」
ふと言われてみて意識した途端に激痛が襲う。
人間、アドレナリンとか出てると痛みが気付きにくいもんなんだろう。
「かなり痛い…」
「でしょうね、最悪は折れてますわ」
そう言って、ゆかりが俺の足をトンッと叩く「痛ッ!」とつい口に出てしまう。
「どうすんの?ゆかりの家行けんなら、診てあげたら?変に病院行ったら騒ぎになりそうだし」
「そうですわね…」と言いながら、
ゆかりは俺と目が合うと急に
「ワタクシ、志騎高3年A組の京極ゆかりと申します…家柄、病院をいくつか営んでおりまして…医師免許は御座いませんが診させていただく事ができます、良かったらいらっしゃいませんか?」
と、突然の自己紹介に唖然とした…というか…
「3年生だったんですね…敬語じゃなくて、すみません…俺は2年B組の古谷薫です。」
春輝の態度から同年代か下かと勘違いしていた。
「…いいんですよ?お気になさらずに…それから、携帯も直しに行きたいですわよね…ショップで手続きだけして、私の家に行きましょうか」
悪い提案では無いので、
すぐさま了解をした。
こんな傷だらけで行くのもどうかと思うが、
早めに誰か連絡入れとかないと
心配されそうだしな。
ふと、春輝の背中に身を委ねてしまっていた事に気づき声をかける。
「悪いな…おぶらせて…」
「いーよ、代わりに今度おぶってね」
「いいけど、それより喧嘩しようぜ」
「だから嫌だって」
なんて、俺の誘いを断ってくるが、
春輝との今日の喧嘩、
思い返せば悪くなかった。
一人であの人数は本当に無理があっただろう…
俺のことをよく知らないのに、
何故助けてくれたのか…
不思議で仕方なかったが、
今は6月。
これから2年生という学校生活は
残り半分ある。
まだ遅くは無い、
いつか必ずどっちが強いのか勝負がしてぇな。
でもとりあえず今日のところは…
「春樹、ありがとな」
「どーいたしまして」
嬉しそうに笑う春輝は、
ずっと思っていた学校での印象とまた違って親しみを感じた…
ハヤトさん、俺、もっと強くならないと…、
あなたの隣に相応しくなるには、
まだまだ、足りないもんがいっぱいありそうです。
ハヤトさん、今日あったこと…
馬鹿野郎って怒るかもしれませんが、
俺は、また一つ学べたと思ってます。
善には悪を、悪には善を…
一体何が正義で何が悪なのか。
本当は誰か…
一緒に来てもらっても良かった。
ずっと苦しくて、悔しくて、
誰も巻き込みたく無いって思ってましたけど、
今日は仲間がいる事が本当に心強く感じました。
ハヤトさん、…
俺はまだ、ハヤトさんと居てもいいですか?
音信不通になって悪かったけど、
みんな、俺をこれからも仲間だって、
思ってくれるだろうか…
また馬鹿やっちゃう時もあるかもしれないけど、
その時は叱って殴ってでも止めて、
そうやって、みんなと成長したい。
…早く、ハヤトさんと話したい。
貴方は凄い人だから、
俺も自信持って側にいられる人間になりたい…
…
next … #2 after story??
………
皆様こんにちは!!!!
鷹左右春輝の中の人、神条めばるです!
ご無沙汰というほど感覚は開いてないかな?
投稿を怒涛の連続でしていたので、
みんな春輝の中の人が小説書くの飽きちゃったのかなーーー
なんて思いましたかね!???
本当はいろんな生徒さんと書きたいし、
声かけてる最中なんですけど、
遅くてごめんなさいね。
今回はTwitter内での実演も兼ねて、
やりましょうってなった為に…
小説の内容も重たいし、
後…言わせて欲しいの。。。
今回ピックアップしてる薫くんを自分の中に落とし込むとね…急に周りの生徒を阻んできたのよ(
春輝と似ているようで複雑な彼の心が、
他の生徒を阻んでしまって…(
他のシナリオに手をつけると大混乱が起きてしまうという状況の為。
この日が来るまでにTwitterの実演含めて、
薫くんの存在が私の中で大半を攻めてきてました。笑
さらに今回新しいキャラクター春輝の幼馴染として「京極ゆかり」を登場させましたね…
春輝が全て出来てしまうとスーパーマン過ぎるので、お嬢に薫くんを守っていただきました!!!うふふ
どうぞ、彼女のことも見守ってもらえたら幸いです。
お友達少ないから仲良くしてあげてくださいな…すっっごい面倒臭い性格してるかもしれないけど。笑
さて…本題を?語らせていただこうかな。
なぜ今回このようなストーリーになったのかをお話ししたいと思います。
薫くんの中で1番でかい存在…そう、
みんながよく知る「ハヤトさん」彼の存在が薫くんの80%くらいをしめていて( )
まぁ他に友達いっぱいいるので100といわずに80と現したんですが。
実際私はハヤトさんと話したことが殆ど無かったのでイメージでいろいろ試行錯誤したんですけど、またこれがちょうど良かったのかもしれない。
話の中で「善と悪」についてが、
キーポイントだったかなって思います。
誰かの正義は誰かを傷つけることがある。
私はそう思っていて。
薫くんのイメージがまず、
「自分が正しいと思うことは正しい」といった俺様のような強さのある部分でした。
自己満足にあたりますね。
話の中で彼は葛藤します。
「本当はわかっている」
この言葉の意味は重たいものです。
仲間を裏切ってでも、自分の意思で動きたい。
怒られるかもしれない…なんて思っても、
巻き込みたくないとかって優しさもあるけど…やはり自己満足なんですよ。
彼は、もし仲間が銃口を突きつけられたら、
自分が身代わりになる危なっかしさがあります。
幼稚に感じる人もいるかもしれないけど、
それはなんで?って疑問は
「居場所」なんですよね。
この単語を話の中で使ったのには深い理由がありました。
薫くんの過去の話を知ってる方は、
理解できるかと思います。
家族との距離感。
そう、そこに彼の居場所がなかったんです。
それを作ってくれた仲間たちがハヤトさん率いるシキケン生徒のみんなだった。
彼にとっての本当に大事な場所なんです。
だから、誤ちだとわかっていても、
この衝動は止められなかった。
そして、自分への強さがもっと欲しいと彼は感じている…
ちょっと前にあった、
ある事件もきっかけではあります。
その辺り知ってる人からしたら、
このストーリーを読みながら苦しくなるかもしれませんね。苦笑
さてさて、
そこで薫くんも仲間について学べる良い機会が訪れます。
それが春輝の存在でした。
この2人をどうやってぶつけるか、
最初は戦わせてもいいかな…なんて思ったんですが、薫くんをターゲットにするのってどんな人か考えてみると、
ハヤトさんを気に入らない3年生や
ハヤトさんに憧れてる2年や1年生でした。
気に入らない、と憧れてる。
真逆で喧嘩になると思いますよね?
違うのです今回のターゲットが薫くんだから手を組めるんです。
それはもう数で来るでしょう。
薫くんの性格でしょ。
…春輝、助けなさい!!(中の人命令
という思考になったので、せっかくだし、
あまり関わりがなくて仲間と呼ばなかった薫くんを助ける春輝がしっくりきて、
ベストコンビとなれました!
相変わらずお助けマンですねーーー
そうじゃ無い話も書いてるから楽しみにしていてくださいね。ふふ。
まぁ、
薫くんと春輝は
お互いがある程度に、
死なない程度の怪我なら、
いいっしょ。
ぐらいに割り切れちゃうコンビなんですよね、互いをまだ知らないし大事だって気持ちは他の生徒に比べたら無いから。
なんてフラットな付き合い方なんだろうか!
友情ものなんだろうけど、
はじまりには丁度良くて、
話もうまく纏まったように思いました。
これから2人が仲良くなったら少し変わってくるかなって思ったんですが、
薫くんは春輝と喧嘩したいのに、
春輝に避けられてモヤモヤしながら、
なんやかんや2人が今後また嵐を呼ぶのかと
考えると、、、
多分…
いや、今後はちょっと馬鹿やっていって、
たまに協力して、なんてシンプルでわかりやすい本当に軽くあしらえる?友達っていう感じが並行するかなって思います。
まぁーーー未来はわからないので、
また面白そうな話が出来ちゃったら
薫くんとの話をUPしたいなって思ってます!
長!語るの長いね!
本当は足りないくらいなんだけど、
今回は after storyを同時に更新する…
(この後来るよ!!
という怒涛の更新的な勢いがあるんで、
この辺りで失礼しますね。
語りたくなったら語るし、
一緒に語りたい人は是非語り愛しましょう!
春輝の中の人は、いつでもウェルカムだし、
一緒にお話し作りたい人も是非声かけてね。
シキケン生、大好きっす!!!
みんないつも素敵な毎日をありがとう!
離れていても楽しいよーーーー!
では、after storyも楽しんでいただけたら幸いです。
ではまた。
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