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scene:03《真夏の陽炎と見えない痣》
女の子であるせりかには悪いけど、真紘とは別の、もうひとりの弟のように思っていた、幼なじみ。
離れていた時間を少しずつ埋めるように過ごすうちに、お似合いだと周りに言われ、そのまま自然と、僕達の関係は幼なじみから変化した。
初めて触れた、せりかの体。
その柔らかさと暖かさ、胸が苦しくなるような愛しさ。
そして、その中で甘く締め付けられた瞬間の高揚──。
冷静に思い返せば、こんなにも違うのに。
愛情など欠片も無く、ただ己の欲求を発散しているだけのお前とは、何もかも違うと、なぜ、そう返せなかったんだろう。
『──なぁ、颯希。その細い腰で、どうやって、せりかとヤった?』
嘲笑うような、真紘の台詞。
真紘にしてみれば、付き合いだして1年も経ってから、ようやく“そういう関係”になった僕とせりかが、滑稽に見えるのだろう。
実際、僕も友達から“まだなのか!?”と驚かれたり、“よく我慢できるな”と感心されたりもした。…詳しく聞いてはいないけど、せりかの方でも、似たようなことはあったらしい。
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