雨とパフェ

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 目的の店は、雨だからかすぐに入れた。玲ちゃんは嬉しそうに俺のほうを見上げて笑った。頭ちょうどふたつ分くらい下の高さから見上げてくるの、それもかわいい。 「ほら、雨の日に来てよかったでしょ」  一応玲ちゃんの頭の中では雨とパフェは繋がっていたようだ。玲ちゃん曰く、この店はいつも混んでいるらしい。来たことあるなら地図なんか見なくても良さそうなものだけど、道覚えられないのですら、本当にかわいいよね。 「あれ、純ちゃんびしょ濡れじゃん。傘さすの下手だね」  玲ちゃんは俺の努力の勲章をねぎらってくれた。ふわふわでいい匂いがしそうなタオルを出して、肩や腕を優しく叩いてくれる。俺の前髪から落ちた雫が玲ちゃんの頬に当たった。玲ちゃんは大きな目を何度かぱちぱちとして、ふふふと笑う。それから背伸びしながら俺の頭にタオルを被せてくれた。届いたら頭も拭いてくれるのかな、と淡い期待を胸に身を屈めてみる。 「……純ちゃん、どうしたの?」 「え? 玲ちゃん拭いてくれないの?」 「それくらい自分でできるでしょ」
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