雨の日の記憶

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雨の日の記憶

 しとしとと降り続く雨。  急に降り出し、仕方なく建物の陰で雨宿りを始めて30分。一向に止む気配がない。 「はあ~」  私は大きく溜め息をついた。  普段なら折り畳み傘を常備しているのだが、昨日の夜、少しでも乾かそうとベランダに干したのがまずかった。  今朝は、朝イチから姉と口論になり、少しでも早く出掛けようとしてすっかり忘れてしまっていたのだ。 「はあ~、どうしよう?」  止まない雨にもう一度溜め息をつき、恨めしげに空を見上げた。  灰色の雲はずっと先の空まで続いていて、もうしばらくは降り続きそうだ。
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