婚約者

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「街コンで出会ったとき、運命を感じたわ。ヒーローが、目の前に現れたって。それに、あの時のお礼もちゃんと言いたかったし。でもあなたは覚えていないようだったから、どうしようかと思っていたのだけれど、私は結婚するならあなたしかいないって思ったの。苦手だった家事も頑張って、あなたの隣で今度は私があなたのヒーローになれたらいいなって」  彼女は僕と目を合わせた。 「私を助けてくれてありがとう。私と生きることを選んでくれて、ありがとう」  いつの間にか雨はやんでいるようだった。今日の予報は満月だったはずだ。雲の切れ間からきっと素敵な月が見えるだろう。それに、雨に打たれた後の街は、最高に素敵に違いない。  僕と彼女は最高の思い出を作るために車を降り、手をつないで歩き出した。
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