後藤静香side~そして平穏な時は終わる~

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息を整えて警察署に着くと、事件の事で言い忘れが有ると受付の人に伝えて近くのソファに半田さんと腰を下ろした。 被害者の少女の足取りがいまだにまったく掴めず、担当の人はまだ帰ってきてないって言われた。 「ふぅ……後藤さん、協力したいと思うのはわかるのよ?でも、その囁き声が本当の事だとしたら、犯人に真っ先に狙われるのよ?学校で聞かれた時に何故言わなかったの?」 「学校で話をした時に言いたかったんだけど、気のせいで捜査を混乱させてはいけないって先生に追い出されちゃって。」 私だって態々警察署まで行ったら、何処かに居る犯人が目を着けるかもとは思ったよ? あまり推理小説読まないし、謎解きは苦手だけど、この証言が重要なのではないか?くらいは考えられる。 少なくとも、あの時の店周辺に、不穏な発言をする人物が居たという点から切り込めるんじゃないかって。 チラリと横を見ると、口をへの字にして鬼のような形相の半田さんがいたので、私は見なかったフリで反対側の廊下を何となく見ることにした。 「………信じられないわ。何やってるのよ。」 「ご、ごめんなさい。一番に話してから警察の人の質問に応えれば良かったよね!?」 歯軋りの隙間から唸るように絞り出した声が、あまりにもドスが効いていたので反射的に謝ってしまった。 「違うわよ!!先生よ、先生に怒ってるの!!いくら自分の学校の生徒が深く関わってると、評判下がるからって、結局は事件解決せずに個人の家出で納めたいってことでしょう!?本人が全てやった狂言で、学校は関知してませんっていう!!その証言から事件性が出たら、やれ帰宅時の指導がとかセキュリティがどうこうって色々つつかれるからって!!」 般若のような顔で、自分のカバンに八つ当たりする半田さんを大慌てで宥めた。 そのカバンには、教科書以外にもスマホが入ってるよ!? 壊れるから!! 「……ちょっと、さっき事件の証言に来てくれた子達よね?ごめんなさいね。今日は遅くまで戻れそうにないの。要点だけ伝言するから、良いかな?」 さっき、私達を受付してくれた婦警さんがメモ用紙片手に声をかけてきた。
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