後藤静香side~物語の始まり~

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今だ!!チャンスかも知れない!! 口を開こうとした時、同じクラスの半田香さんが玲一郎君に近寄っていった。 「ねぇ、だったら私達と一緒にしてみない?結構この面子でやり込んで私達もマンネリ化してるんだ♪」 香さんに他意はない。 私を邪魔しようとしたのじゃなくて、単純に彼女も玲一郎君を好きだと公言しているから。 チャンスだと思ったのは、きっと私以外にも沢山居るのだ。 「う~ん、でもさ。ベテランならいまだに初心者に毛が生えた程度の淳大がボコボコだぜ?」 「おおおぉ!!お前、鬼かよ!?俺は結構最近このゲーム始めたばっかりなんだぞ!?」 友人の一人が指摘すると、淳大君は悲壮感たっぷりの顔で起き上がって、悲鳴を上げた。 確かに、新しくメンバー入れても、高レベルのプレイヤーだったら滅多打ちだろうな~。 「じゃあ、尾藤君はお休みで、和田君達と私達でどう?」 「いやいや(笑)そもそも、淳大が負け続けてるから、同レベルくらいの初心者と組みたいって話なんだ。僕達はずっと前から始めて居るから、どうしても場数が、ね?」 困ったように今回は遠慮するという玲一郎君に、香さんは溜め息をついて仕方なく引き下がった。 「今度、尾藤君が慣れてきたら絶対に一緒にしよう?今回は他の子誘うけど、約束よ?」 初心者募集中!? 「あ、あの、和田君!!お願いが有るんだけど!!」 「ん?どうしたの後藤さん。ああ、ちょっと騒がしかったっけ。ごめんね。」 「そうじゃないの!!あ、あのね?私もほぼ人狼初心者なの。だから、良ければ私もゲームに入れてくれないかな?」 済まなさそうにこちらに謝ってくる玲一郎君の言葉を遮って、思いきってゲームに誘ってみた。 ちょっと強引だったけど、グズグズしてたら折角のチャンスが不意になってしまう。 「ええ?それは良いけど……。」 「マジで!?後藤さん、俺と同じように初心者!!?いやぁ、助かるぜ。俺さぁ、アクションゲームやシューティングばっかりで、最近になって玲一郎に誘われて始めたばっかりなんだよ!!ありがとう、ありがとう!!心強いぜ!!」 一瞬、キョトンとした玲一郎君が許可を出す前に、ズイッと私の前にやってきた淳大君が手をサッと取るとブンブン振り回して喜んだ。 「え、あの、尾藤君!?」 「へ!?あっ……悪い!!初心者同盟が組めると思ったら、メッチャ嬉しくて。」 「淳大……後藤さんがビックリしてるよ?そんな急に手なんか握ったら、普通怒られるよ?ねぇ?」
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