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「その言い方はあまり好きになれんがね」
椎名は不機嫌さを隠そうともせず、ぶっきらぼうに言った。
本来、地球に降りかかってくるはずではなかった脅威の数々が、宇宙開発が進むにつれて増えていた。
有人飛行はまだマシだが、採掘、運搬用の無人機などはひどいものだ。
鉱物、エネルギー、研究資材となる未知の物質……あらゆるものに紛れて、あらゆるものが乗ってくる。
呼び込んでいるのは人類の自業自得なのに、降りかかる脅威から地球を守るガーディアンなどと、厚かましいにもほどがある。
研究所に入って真実を知るまで、この仕事に憧れていたことが、椎名を余計に頑なにさせていた。
経緯はどうあれ、椎名の所属するガーディアン然り、他の研究所や組織然り、人類にとっての平和に少なからず貢献しているのは間違いないのだが。
「まあいいさ、愚痴は終わりだ。俺の心配なんぞしてねえで、将来有望な愛しの隊長殿だけ見つめてろよ」
「言ってなさい。ほら、ご希望のデータが出るわよ」
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