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3人はやがて城壁にほど近い場所に出た。城の空堀に沿ったこの通りは石畳ではなくレンガ敷きで、大地が夕日を吸い込んだかのような色が遠くまで伸びている。
城壁を横目に小洒落た色の通りを歩いていると、空堀のすぐ側に黒いローブ姿の人がいた。ひっくり返した木箱を前に置き、自分はイスに座って暇そうにしている。最近見かけるようになった占い師だった。
ハルトが「占ってくる」と言うと、クラッテは長い眉をピクッと跳ねさせた。
「一応仕事中なんだが?」
「分かってる。でも、町の人に話を聞くのは悪いことじゃないよな? 中時、いや小時で終わるから」
小さなイスに腰かけ、ハルトは木箱を挟んで占い師と向かい合った。フードを目深に被った顔には僅かに幼さが残っている。占い師は大きな目でギロリとハルトを睨んだが、「何を占いますか?」とプロらしく淡々と尋ねた。
「占い師さん。俺は妹と仲良くやっていけますか?」
「妹さんとは難しいでしょう」
カードも使わずに断言された。ハルトは渋い顔で続ける。
「じゃあもう1つ。制服問題がどうにかなるかって占えますか?」
占い師は今度はカードデッキを手に取り、気怠そうにシャッフルした。
「『死』のカードが出ました。破滅ですね」
「何て?」
「言い方を変えれば日常が終わる暗示です。つまり破滅でしょう」
「……」
素晴らしい結果に涙が出そうだ。無愛想な占い師に何か言ってやろうかと思ったが、踏み止まったハルトは黙って木箱に銅貨を置いた。
※中時=約5分 小時=約2.5分
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