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坂を3分の2ほど上ったところで、突然少女の鼻の頭に水滴が落ちてきた。
雨だ。
あんな淀んだ空から透明な雨が落ちてくるなんて、なんだか不思議な感じだ。柄にもなく感傷的になり、少女は慌てて頭を振った。そして、自分のらしくない思考に苦笑いした。
あいにく少女は傘を持っていなかった。
濡れるのは嫌だったが走るのも面倒だったので、少女はそのまま雨の中を歩いていくことにした。
あぁ、はやくやまないかな。
少女は憂鬱そうに、小雨にすら掻き消される声で呟いた。ホームルームの開始時間はすぐそこに迫っている。周りにはもう誰もいなかった。
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