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身体が後ろに押し付けられ、榛名の冷たく薄い唇が重なった。左耳にあるピアスホールで揺れるリング型の小さなピアスに目をやってから目を閉じた。榛名の舌が美希の舌を誘い出す。美希もそれに答えるように舌を絡める。彼から流し込まれる熱い唾液を喉を鳴らし飲み下す。
「坂村さんとのキス……興奮する」
「もう、意地悪……」
溢れ出した身体中の水分がクロッチに染み込んだようで気になった。寒くもないのに膝が小さく震える。榛名の背に手を回した。スーツの上からも筋肉の束を感じる。
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固い鉄の音が美希の背中で響いた。部屋のオートロックが施錠する音だ。ホテルの部屋は完全に二人だけの空間になった。榛名の身体に包まれ、引き寄せられる。首筋に冷たい唇が落ち、前歯で甘く噛まれる。榛名の荒く熱い呼吸に耳たぶがくすぐられた。全身の毛穴が開いてしまうようだった。
「榛名さん……、榛名さん、ベッドで……ね?」
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