プロローグ

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 高いヒールのパンプスを脱ぐ暇もなく、冷たい唇が重なった。いつの間にホックが外されたのか、空気を含んだスカートが足元に滑り落ちる。熱を帯びた太腿がサッと効きすぎたエアコンの空気に冷まされた。榛名の舌先に口腔を探られる。混じり合った二人の唾液が広角を濡らしてゆく。美希は喉を鳴らし、それを飲み下す。   「膝、突いて……」 「こう……?」    美希は毛足が短いカーペットに膝を突き、よつん這いになった。榛名に軽々と腰を高く上げられる。背がSの形にしなる。猫が背伸びをするような格好だ。ショーツはまだ脱がされていない。横目で榛名を見た。下半身だけ裸の赤黒く醜い榛名自身が美希を睨みつけている。美希を挑発するかのようにバネのように弾けているそれは、怪しげに光る剣のようにも見えた。榛名に背中から覆われる。乱暴にクロッチが横にずらされ、鋼鉄のように熱いがあてがわれた。前置きなく腰が押し出される。 「うあっ……。ベッドで……ねえ、ベッドで……」    傷口を開くように熱いが押し込まれる。    んんんっ……。  
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