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0 ▷序
坂村美希はラブホテルのベッドにいた。横にいるのは、同僚である北山菜々葉の夫、北山信也で美希が学生の時の恋人だ。菜々葉はシステム営業部のワンマン部長を誘い近くの居酒屋に出掛けていた。
「ねえ、また会えるかな」
「それは、セフレとして?」
美希は信也の茂みを手のひらで遊んだあと、その手でペニスを包んだ。まだ、美希の粘りを銀色に纏い生まれたばかりの小動物のようなそれが彼女の手のひらでぐんと背伸びした。それに手のひらを添わせる。
「……で……いいから……」
「だけど、できないわ。セフレは……」
「キス? いいよ。僕は、それで……。だけどさ……」
「うん……?」
「キスはダメなんて……カラダは許すのにさ……」
学生時代に交際しているとき、信也と何度唇を合わせたんだろう、とふと頭の中で指を折った。
「情が移るわ。キスすると離れられなくなっちゃう。だけど自分ルールだから、すぐ、破っちゃうけど……」
「すぐ破っちゃう、って……いるの? 他に……セフレ?」
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