誕 生

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私が産まれてくる前の事柄や物心つくまでの事は 祖母が色々と教えてくれた。 当時、母は19歳。 父は21歳。 今で言うなら、授かり婚っていうやつだ。 私は朝方産まれて直ぐに保育器に移された。 早朝、病院から祖母宅に電話が入り 祖母は母の兄2人との3人で 隣町から急いで病院へ来てくれたらしい。 祖母は、私が保育器に入ってると知り <目や鼻はちゃんとあるか、口は開くか、指は5本しっかりあるか> そんな事を考えて、確認するまで心配でたまらなかったと言う。 小さいながらもしっかり呼吸をし、無事に産まれた孫を確認した時は 安堵したと言う祖母。 「にゃんちゃんの健康をずっと願ってるんだよ」 祖母は大人になった私にも言ってくれる。 この話は子供の頃、せがむように祖母に何度も何度もしてもらった話で 優しくて嬉しい話だった。 だけど大人になっていくにつれて… その話は、いつしか私を縛るようになっていった。
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