EP:序章一話 Memento Mori ~Soul Disorder~

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EP:序章一話 Memento Mori ~Soul Disorder~

           死を忘れるな 誰かの声が頭の中へ響く・・その声が僕の胸の中に重く響く・・ 死を慎め・・・ あぁ、これは僕への戒めだ 死を纏った僕への罪過 死を想え・・そうだね・・これはメメントモリの芸術 死を忘れるな・・・わかってる・・忘れられない、それが・・          僕の仕事なのだから             01 荘園の闇は深い・・・ まるで、死を感じたときに訪れた暗闇の様に 朝なのかさえわからない霧の中に佇む屋敷があった 深遠なる佇まいの森の奥底に、ひっそりとした建物の周囲には 霧が立ちこめて、ここからでは周りの景色も人が住んでいるのかさえ わからない 異世界なのか・・?いや多分ここはどこでもない場所 人のegoの終着地 もっと奥を見てみよう・・おや?窓辺からぼんやりとした 影が映る・・果たしてそれは人だったのだろうか・・? ーカチャッー 部屋の中にはふんだんに装飾された家具が施されていたその中で 誰かが、珈琲を口へ運んでいる様だった 「ふぅ・・美味しいね、やっぱり朝はバターパンと甘めの珈琲に限るね」 そういって灰色の髪、灰色のスーツに身を包む青年は優雅に食事を摂る 落ち着いて食事をしていながら 「おっと、・・ここの書類、記載ミスだね・・資料はどこかな?」 席を立とうと一度後ろを振り返り、ドアの方向を見やる 「・・でも、今日は静かだし、皆が起きるまでゆっくりブレイクしてようかな?」 そういって、仕事を遅めにもう一度口に珈琲を運んだときだった ーバシャァンッー 鮮やかに誰かの手が「僕」の頭を叩き付けた 「朝とかそんな概念もろくにない世界で、相変わらずだね・・幽」 「熱っ・・!痛い痛い・・そ、その声は」 「何・・・目、冷めたかな?」そういってニマァーッと口の端を まるで小悪魔の様に笑顔にしている長髪銀色の娘が立っていた 「ひ、酷いないきなり、、ましろちゃん。駄目じゃ無いか、 他人にそんな事しちゃ、危ないよ?」 「ん?君だからしてるんじゃない?まぁ他人は他人であってるんだけどね。 相変わらず、君は偏屈で寂しい男だなぁ」 そういってふふっと笑うましろ 「・・・ん。・・今日はどことなく機嫌が良いね?何かあった? 爽やかな朝だからかな?」 「爽やかな朝・・かぁ・・って、「朝」なんてそんな概念すら無い様なこの世界で、ナニが爽やか・・だよ。それに、気分絶好調の絶不調だよ 笑」 「なんでハイになってるか知りたい?・・それはねぇーめでたく悪夢にうなされたからなのだぁー」 「えぇ?!・・じゃぁ、ずっと眠ってないの?駄目じゃ無いか 魂を休めないと、、保てなくなるよ」 「だぁって、私、眠るの嫌いなんだもん。慣れてるし 寝るの大嫌い」 「そんな事いったって・・ここで眠らないでいたらどうなるか、最初にいた君の方がよく知っているはずだよ」 「もぅ、つまんないなぁー知ってるよぉーそんな事」 「君って本当につまらない男だよねー」 「別に、つまらなくて十分間に合ってるよ。僕の望みなんか何もないからね」 「えー嘘ばっかりだね、君って。まっ人間そんなもんだけどさ」 「はぐらかさないでくれ・・それにいかに僕でも、まだまだ蘇生術は 完璧じゃない・・。この館の主だからって何でもできる訳じゃ・・」 「あーぁ、つまんない話はいいよーぅ?もっと楽しい話しようょぅ?」 「久しぶりに話せたかと思ったら・・・本当は体・・しんどいんだろう?」 ースッー 「あっ、ちょ、、やだっ」 「・・・やっぱり・・僕に話しかけてきたのも、皆にばれたくないからでしょ?・・ここまで体が朽ちてきてるよ・・?」 「うぅーぅ。乙女の秘密を暴いて楽しい?肌までさらさせて、 ちょっとは空気読めるようになろーよ変態」 「だ、誰が変態だよ・・ほらほら、変な事いってないで、服脱いで」 「やっ・・あんっ、ちょ、、まだ早いってば・・ぁぁ、やん♪」 「こ、こここらっ!まだ僕、何もやってないし、え、や、やらしい声 出さないでよ」 「え~~私、別にやらしい声なんて出してないよぉ? 君が出させてるのかもよ?・・・あ、あん♡(棒読み)」 「もぅ、からかうなってば、、一体何したいのさ・・ほら あっ!やっぱり・・」 そういって青年はましろと呼ばれた少女の腕を掴む 「・・じっとしてて・・すぐ直すからさ」 「・・・ん。・・・キモい」 「・・僕が?それとも」 「両方」 「か、間髪入れず容赦ないね?僕のイメージ台無しだよ」 そういって、白い肌に薄汚れた呪怨が刻み込まれている腕を青年は取る 「ここまで浸食されて・・穢れが酷くなってるなんて・・しんどかったよね? もう大丈夫だよ?」 「・・・んっ」 「お願い・・ハァ・・優しく、、して」 「ちょい!・・変な声出す必要ないでしょ?・・綺麗にするね」 そういって、酷くグロテスクに赤黒くなった腕をまずは修繕していく 青年は、一息長く呼吸を止めたかと思うと、吐いた息から霧状の薄光った糸が 出る。それを、真剣な面持ちで、かつ鮮やかに頭上に放った それから、新体操の紐の様に、静かな雪を降らす様に弧を描き、ましろの 腕から胸。足、背中を包んでいく すると一瞬だけ、ノイズの様に傷が歪み、瞬く間に元のましろの 綺麗な体に戻っていた。 「、、ふぅ、あ、ど、どうもね。ごめんね。汚い事させて」 「っ!・・・ましろちゃん・・いつも言ってるよね。僕はそんな 事思わない。納棺師としてじゃなく、個々の人間としてでも、 そんな事、絶対思ったりなんかしない」 「・・・知ってるよ」 「なら、約束して、哀しい事言わないでって」 「っ・・!知らないよそんな事。私は汚いんだってば!馬鹿!!」 「だから、そんなっ」 ーパシンッー 「きれい事は一番好きじゃないんだよ、、ばーか」 「いつまでも触ってんじゃねーよ・・へんたい、私、もう行くから」 そういってましろは部屋を一目散に飛び出していった 一方、ぶたれた僕は、放心状態のまま、我返り一声ましろの背中へ 声をかけた 「治癒させる為にも、少ししたら眠るんだよーましろ!」 そういってちょっとしたら、急激に頬が痛くなる 弱ったな・・・ぼく、ビンタだけは嫌だったのになぁ 「あららぁ、どうしたのかなぁ、管理人さん、涙目じゃない?どったの?」 そういって肩抱きしめてきたのは・・ 「な、渚さん?い、いつからそこに?」 「うふふふ~ぅ、おはようございますぅ~。いつからでしょうねぇ」 「み、見てました?ずっと、、今のやりとり」 「あははぁ~なんだか邪魔しちゃ悪かったのですが、ちょうど 目覚めだったので、お庭の手入れする合間に、窓越しから こんにちは~でした♡」 「あ、いや、その、気付かずにすいません、渚さん、 朝からお疲れ様で・・ん」 ーピトッー 「ノンノン♡朝はおはようございますですよ~ぅ」 甘く朗らかで優しい瞳と人差し指で、言葉を塞がれた ついで、 「えい☆」 むぎゅぅぅぅぅ 「あ、え、、渚さん?」 「ほっぺた痛かったですねぇ~でも、乙女の体をまさぐるのは 私だけにしててくださいね~☆」 「ちょ、わわ、あの、ち、違っ・・・う(バフっ)」 「あらあら朝からエッチは駄目ですよ~主様には早いですぅ~」 「いや、あれはその、、ましろの治療を」 「うふふ、わかってますよーでも、乙女のプライバシーを やすやす人に喋っちゃいけませんよー」 「ど、どうしたらじゃあいいんですか?喋れと言われたし 一応ぼかして治療って言ったのに」 「うふふふ、いつも通りの誠実な主さま♡やっぱり愛おしくて たまりませんね~」 「い、いや、質問に答えてください」 「ふふっ、そういう時は適当にとぼけておけばいいんですよ」 「まぁ、それが出来ない主ですから、こうして支え甲斐があるのですけどね」 「ましろちゃん、あぁ見えて可愛い娘なんです・・だから誤解しないであげてくださいね」 「えっ?誤解?・・うーん。ましろはましろちゃんですしね。なんとなく わかります、いいたいことは」 「う~ん♡それでこそご主人様です~・・ご褒美に触ってもいいですよ?」 「ど、どこに何故触らなきゃ駄目なんですか?エッチぃのは駄目ですよ」 「あらあら~ぁ?それじゃまるで私が痴女みた・・はっ!申し訳ありません きっと私がメイドとしてふがいないばっかりにご迷惑を~」 「確かに!それは男の言う台詞でもねぇなぁ、エッチぃとかw乙男かよっ」 「えっ?あぁ、おはよぅチョコちゃん」 「相変わらず優男だなぁ、ダーリン☆そんなこっちゃモテないだろうから ボクが変わりにもらってあげようか?w」 「ちゃ、茶化さないでよ、チョコちゃん。君も今目覚めてきたのかい? 他の娘、月雫(ルナ)ちゃんや芽依ちゃんは?」 「あぁ、芽依は気配感じねぇから、まだ復活遅れてるんだろ? あいつねぼすけマイペだからないつも。月雫は又狩りでもいって 好き放題暴れてるんじゃね?」 「あぁそっか、忘れてた。なら、急いで二人の様子見に行くよ どちらにせよ、後で皆に頼みたい仕事もあるから、ここの館の守備は 任せたね、二人とも」 「えー、ボクまだ起きたばっかでひっついてたいのにー」 「あらあら、主様、大変ですね。了解致しましたわ。気をつけて いってらっしゃいまで」 「うん。頼んだよ二人とも」 「あ、ダーリン?たべないならボク食べていい?」 「え?あぁ、どうぞ、いいいよ」 「やりー」 そういって何故かチョコは画用紙に瞬く間に絵を描いていく 何故か画用紙は歪なオーラを纏い、そこに描き出された絵は独特で ・・・下手だった 「こうやって描いてから「色」ごと食べた方が美味いんだよなぁー」 「いつも思うけど凄いね。チョコちゃんの能力は」 「えーぇ?ボク下手っぴだもん。どうせ悪魔の絵だしさ でも、こうやって命の色を食べる方が、ボクには美味しいしそれが 当たり前の食べ方になったからね」 「本質」を食べる能力だよね・・ちょっとボクは怖いのだけど」 「えぇー涙 それは嫌だぁ。そんな事言ったら似顔絵書くよ?」 「わわわ、それだけはご勘弁を、あはは、じゃ、行くね。 チョコちゃん。頼りにしてるからね」 「わーい。ダーリンの敵はボクの敵だから、守りは任せて! ただし、他の娘と仲良くなったら・・・ピー××するよ?」 「あらあら、モテモテですわねー。羨ましい」 「で、では、いってきます」 そういって青年は近くに置いてあった銀のアタッシュケースを 手に担ぎ、部屋を後にしたのだった
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