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「あはは、記憶があるだけ感謝か」
やあ。転生者だよ!
はい、痛いな。頭おかしいな。中二病だな。
でも事実だから仕方ない!
さてさて、皆さんは異世界転生というと何をイメージしますかね?
魔王をワンパンで倒せるようなチートを神様に貰ったりなんかして。美少女奴隷ハーレムとかやったり?
乙女ゲームの悪役令嬢になっちゃったり、破滅フラグ回避してたら溺愛逆ハーレムにいつのまにかなってたり?
まあその手の小説をよく読んでた俺的にはそんなイメージだな…ところで俺の名前はアレン・メルシール
ここ、一応剣と魔法な中世ヨーロッパ風味の世界のエスペランザ王国の端っこにある小さい男爵領で長男として生まれ、すくすく育ってただいま5歳。
メルシール男爵領は小さな町が1つに村が3つ、田畑地帯と果樹園地帯があるだけの猫の額のような領地だ
物凄く煌びやかで栄えてるらしい王都までは馬車で2週間もかかる辺境だ
そして先ほど大した苦痛もなく、唾が気管に入ってむせるというものすごく微妙過ぎるきっかけで前世の記憶らしきものを思い出した。思い出し方がアレなもんで、全然ショックは無くてテンションはそれなりに上がった
正直なところ「あ、転生してんじゃん。ウケる」ぐらいの感覚なんだよな〜
俺の前世は地球という星の日本という島国で高校生だった、らしい
ところどころ靄がかかったみたいに家族の名前やらなんやら、この世界で暮らしていく上で不要な情報は弾かれてる気がするが
とりあえず、俺の前世は彼女は居ないし友達はそこそこ成績もそこそこ運動神経は人並み…とにかく平凡だったということは大いに理解した
そして内政チートとかができそうな知識なんざ平凡男子高校生が持ってるわけないし。一応貴族なんだが屋敷のサイズはせいぜい周りの家の2倍だし、平民の子供が庭に勝手に入ってきて走り回ってる時点でお察しだ
使用人は一応2人いて、執事のクラウスさんと侍女のメアリーさん夫妻
上下関係は皆無で殆ど友達というか家族的な感じ。お二人の娘であるアンナは使用人見習いと言う名の単なる同居人だ
ぶっちゃけ貴族としての最低限の体裁のために同じ屋敷で寝起きしてもらってるだけ。実態は仲良しな親戚が同居してるようなもんだ
うん、前世でも現世でも完全なるモブです。本当にありがとうございました!
でも幸せだ!
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