窯茹でになった男

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 魔法の鏡で自分が世界一の美女であることを確かめるだけでは飽き足らず美女には相手にもされない男であっても自分をどんな美女よりも美女として選び取るかどうか知りたくなった魔女は、顔にゴルゴ線が出来、鉄仮面のように無表情で如何にも今時の女に持てなさそうな生ける屍と化した男が向こうの方から歩いて来るのを認めると、空間に仮面を浮かせて姿を晦ました。その仮面は方解石のように透明で吸い付いた顔をその表情の全ラインを微妙に複屈折させて魅力的な顔つきに変えてしまう魔力を持っているのだ。
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