ハッピーウェディング☆

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 由梨絵の結婚式当日。  私はプランニングの担当として、あちこち走り回っていた。 「それは、こちらにお願いします。あ、その鉢植え、もう少し右に動かしてもらっていいですか?」 「遠野さん、新婦さんの着付け終わりました」 「そう。じゃあ、そろそろ、参列者のみなさんに式場に入っていただきましょうか」 「はい」  私はそう指示を出すと、今日の撮影担当のカメラマン、新川さんの元へと歩み寄った。 「新川さん、今日はよろしくお願いします」 「もちろん。あ、そうだ。さっき聞いたんだけど、今日の新婦さん、君の友人なんだって?」 「はい。大学の」 「そう」 「着替えの前に少し話したんですけど、なんだか、今日は一段と輝いて見えました」 「へえ」 「学生の頃からキレイだったけど、やっぱり、結婚式となると特別なんでしょうかね?」 「どうかな? 写真を撮る側の意見としたら、結婚式だけじゃなく、嬉しい瞬間はみんな輝いて見えるけどね」 「そういうものなんですか?」 「まあ、これは俺個人の意見だけど」  みんな、嬉しい瞬間は輝いている──か。 「そういう見方をすれば、今日の遠野さんも輝いて見えるけどね」 「えっ? 私ですか?」 「うん。友人の結婚式を担当する事が出来て、よほど嬉しいんだろうなって」 「か、顔に出てますか!?」  私は手で顔を押さえた。  もしかしたら、顔がニヤケたりしていたのだろうか?  だが、新川さんはクスクス笑うと言った。 「そういう意味で言ったんじゃないんだけど……。あ、そうだ。遠野さん、最近何かあった?」 「何か?」 「最近キレイになったなあと思ってたんだ。だから、何かあったのかと思ったんだけど……。俺の思い過ごしかな?」 「え……?」  少し照れたように、私を見る新川さん。  まさか、本当に、こんなことがあるのだろうか?  あの化粧水。魔法の化粧水……だったりして? 「遠野さん! 参列者のみなさん、会場に入られます!」 「あ……、い、今行きます!」  私はおかしな考えを振り払い、会場の入り口へと走っていった。  ハッピーウェディング、由梨絵!  いつか私も、輝ける日を夢見て──
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