ゲームの中で…

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ゲームの中で…

涼は、ゲームオタクで、暇を見つけると、どこでもゲームをやっていた。綾とのデートの時も。今回は、調教ゲーム。まぁ、いわゆるエロゲーだ。画面を覗き込む綾が、その過激な描写に、目を隠してしまうほどのものだが、涼にとっては、いつものことなので、青山のカフェのオープンテラスでも構わずやっているのだ。 「こんなこと、綾にもやってあげるよ。いつやろうかな?これだけど、見てごらん!」 涼は、綾にゲーム画面を見せた。 これは、ご主人様お願い!って女の子が、エロい格好で、お散歩させられてるのだ。首輪をつけ、身体にオモチャをつけられて… もう、綾には、刺激が強すぎて、アソコが濡れる感覚を感じて、モジモジしていた。 そんな綾を見るのが、涼は、好きだった。 いつか、ゲームと同じことを綾にもさせたら、楽しそうだと密かに計画していた。 カフェから帰る途中、神社を見つけた綾は、ちょっと寄ってみたくなった。 涼と綾は、階段を一段ずつ登っていき、本宮に着いた。鳥居をくぐってから、ずーっと綾の周りに神の化身の猫が、つきまとっていた。猫は、なにやら綾に、この神社の御神木の杉のところへ案内した。樹齢200年以上もするこの杉には、怪しい力を感じた。 しばらく、杉の木に手を当てて、御神木が伝える言葉を聞いた。ここ数年の神社ブームで、一般の人でも、御神木にあやかりたいと、手を当てることが多くなり、嬉しいことだと、杉は話した。しかも、しばらくすると、何故か水子をかかえる女性が増えていると、話始めた。 特別、水子の寺ではないし、ここは神社なので、供養の為に何かをするわけでもなかった。神主さんが、御神木の声を聞くことが出来なかったからだ。 綾は、御神木がこの水子達を供養し、成仏させてほしいと、頼んできた。いくつもの水子達が、綾の背中に乗ってきたので、綾の目の中には、得体の知れない文字がたくさん見えた。倒れそうになった綾を、そっと抱き寄せた涼にとっても、その異様な空気は、感じとれた。そして、なんとかしなきゃと思った。
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