電話の不思議な声

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電話の不思議な声

明日は、朝からお客様を案内するので、早めに休んで、寝坊しないようと、目覚まし時計を3つセットした。そろそろ寝ようと思ったら、携帯が鳴ったのだ。それは暁斗の番号だった。何かあったのかと思い、電話に出ると、「あなた誰よ!暁斗と、どうゆう関係なの?私は、暁斗の婚約者なんだから!」一方的に言われた。全く状況が理解出来ず、ボーっとしていたら、電話の向こうで、もめていた。しかし、そのもめてる男の声は、暁斗ではなかった。聞いたことのない声で、少し鳥肌が立つ思いで、綾は聞いていた。 しばらく聞いていると、このもめている状況がわかってきた。それは、あり得ない電話の混線。今の現代では考えられない、スマホでの混線。あるわけないじゃん。そんなこと、あり得ない。ってことは… そう、綾の鳥肌は、間違っていなかった。 男性の電話が生きている人の声で、綾じゃない人にかけていたのを、この女の生き霊が、乗っ取って、綾にかけてきたのだ。 暁斗のことが好きで、でも、告白することもできなくて、イジメにあって、自殺を考えている女の生き霊だと、綾は感じた。 電話で言われても、あなたの思いを供養することは出来ないので、明日、暁斗と一緒に供養出来る場所へ行くと、約束した。 昔っから、綾の周りには、たくさんの霊があちらの世界へ行けるお手伝いをしてくれと、頼みに来るのだった。その度に、お話してから、成仏させていた。眠る前だと、眠れず少し辛かった。子供の頃は、よく昼寝をしていたと、懐かしく思って眠りについた。 その夜は、綾が、リアルな世界では体験出来ないような、夢を見たのだ。
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