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32代目陰陽師
綾の祖父は、30代目陰陽師で、母が31代目だった。必然的に綾が32代目を受け継ぐことになった。子供の頃は、霊や妖、神までも、話をするのが楽しくて、よく祖父に叱られていたのだ。「悪さをする霊や妖には、こうするのじゃ。出来るようなるまで、夕食は食べれんぞ!」これが祖父の口癖だった。
斗真と一緒にいた時に見た黒い人影は、妖。
狐が化けたものだったが、何か事情があって、綾の前に出てきたのだった。
「でも、斗真は、こんな私のこと、怖いって思って、付き合うのをやめたくなるよね」
斗真に自分のことを話した綾は、斗真の返事を覚悟して待った。
しかし、「そんな力がある綾が居てくれたら、俺にとっては、嬉しいことだよ。俺のそばにずーっと居ろよ!俺の女なんだからな!」その言葉を聞いた綾は、狐の言葉を聞いた。
「私の田舎では、不法投棄がひどくて、兄弟も病気になり、たくさんの仲間達が亡くなったの。なんとかしてほしい。」
綾は、少し考えたけど…自分に不法投棄をなんとかさせる力はないし、でも、このままにはしておけない。斗真に事情を説明した。
斗真は、二つ返事で、このことを上手く解決する方法を教えてくれた。
自分の数千人いるお弟子さんの中で、弁護士、警察、政治家、廃棄処理業者、など…数名を集めて、狐の話を伝えた。
その山は、前から不法投棄が、問題になっていて、誰かが動かなければ、変わらないと言われていたのだ。
政治家の力で、その場所を自然保護区にして、不法投棄を全て撤去し、その業者を突き止め、逮捕した。
綾は、狐の兄弟の病気の治療に、獣医さんを連れて行き、山のエネルギーを正常に戻す手伝いをした。山の神と龍神を呼び、七色に輝く風が綾と斗真の周りを駆け抜けていった。
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