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「ヤバいじゃないすか!兄貴?祓えないんすか」
茶木が声をあげると御上は突き放すように
「悟りを開いた御霊には、お経も村正も効かねえ、俺の左目の義眼の御霊が霊具に反応しないのも、そうゆうわけだ、まあ宗教心薄い、この国じゃ、ある意味いい事かもな」
「我は宗教の統一など狙ってはおらぬ、ただ、御霊菩薩を保護するのみ、だが、各国の狙いは別な所にあり、もう血が流れておる」
阿闍梨は、険しい顔で目を瞑る
「親父は何してるんだよ」
御上が面倒そうに尋ねると
「動いておる、御霊菩薩の御霊が降臨した少女を追ってな」
「ふん、弥勒の御霊は少女の中かよ、もうどうしょうもねえな。
大国に持ってかれて、それで終いだ。まあヤツらに操れないよう、好きなお経でも唱えるこったな」
御上は立ち上がると
「帰るぞ、茶木」
そう去ろうとすると、阿闍梨は
「侑哉、お前は係わるなよ、奴らは邪魔ものは容赦なしに消しておる」
「帰って大人しく酒でも呑んでるさ、ジタバタしても仕方ねぇしな。阿闍梨さまも無茶すんなよ、年寄りなんだからよ」
そう言うと本堂を後にした。
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