記憶

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清ちゃんに電話をかける 『私よ、ちょっと来れるかしら〜?』 「ああ、……紡に何かあったのか?」 察しがいいわねぇ 『とにかくぅ、病院で話すわぁ』 「ああ…」 ガチャ 来たかしら? …早くない? 「待たせた」 『平気よ〜』 「紡は?」 そう聞いてズカズカと病室に入ろうとする清ちゃんを引き留め、 今の状況を説明した。 彼が記憶喪失な事 彼がトラウマになっていること 清ちゃんは頭を抱えてしまった 『とにかく会ってみて欲しいわ。あなただったら、また何か反応が違うかもしれないから。』 「静、でも俺は、もしあいつに拒絶されでもしたら…」 『その気持ちはよくわかるわ、でも、治療のためなの』 「…わかった。」 清正ちゃんは病室に入っていた。私もそれに続く。 どうか、どうか、彼に気づいてあげて。 紡ちゃん……
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