少しだけミルクを

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少しだけミルクを

ほんの少しだけミルクを入れるよ きみが苦くないように ほんの少しだけニンニク控えるよ きみが怖がらないように 本当の味も知ってほしいけど 本当のぼくも知ってほしいけど きみは停車中だから きみはまだ飴色じゃないから やがて飛び立つまで 羽根を休めてほしいのさ ほんの少しだけぼくは 血を吸うのを我慢して きみの寝顔を見ていたいから 成長しきる前のきみの甘さを いつか誰も知らなくなっても ぼくの戸棚にしまってあるから
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