その1。謝罪に対する態度

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その1。謝罪に対する態度

 おそらく大半の人が、十代のうちに1度は謝罪を経験する。  ということは、十代のうちに多くの人が、謝られる。という経験をするということだと思う。  書く言う私も、当然両方経験があるわけだが、謝罪の仕方は習っても、謝罪の受け方は習った覚えがない。柔道や、プロレスでは、技の出し方も練習するが、それ以上に、受け身の練習をすると言う。  しかし、謝られる経験は自発的に生み出せるものではない。そこで、いくつかシミュレーションをすることで、良い謝罪の受け身を考えてみたいと思う。  ここで、良い受け身の条件を考えてみよう。 1.謝罪相手との関係を崩さない。 2.気持ちよく謝罪をさせる。 3.あくまで、悪いのはお前だ。といった関係を保つ。 4.後味を悪くしない。  次に状況についてである。 1.相手の失態の程度。 2.相手との交友関係。 3.自分から謝りに来たのか、謝ることを強要されているのか。 4.相手の謝り方。 といった感じだろうか。  取り返しのつかない失敗をし、大して仲が良いわけではなく、先生や親等から無理やり、適当な挨拶をしたとき。と、些細なミスで、仲の良い友人が、自分から、誠心誠意謝ってくれたとき。が同じ対応で良い筈はない。前者なら、平手打ち位は許されて然るべきである。  しかし、オールマイティ、即ち、王道と言う物は存在する。  「分かった。」である。  相手の謝罪を受け入れ、そして、水に流してやろうという、度量の大きさを見せつける言葉である。  しかし、この言葉にも、欠点がある。それは、同級生には使えないという点だ。「分かった。」という言葉には、少し上からの物言いというニュアンスが含まれている。教師からの言葉であれば、自然と受け入れられるこの言葉でも、同級生で使ってしまっては、喧嘩に発展する可能性もある。  そこでだ、同じ目線でありながらも、気にしていないが、悪いのはお前だぞ。ということを示す言葉が必要である。  例えば、笑いながら、「次はないからな。」これはどうだろうか。シリアスな場面を崩し、尚かつ、次は許さないと示すことができる。笑いながら、ドスを効かせて言うというアレンジも可能だ。  よしこれで行こう。私は、先生に連れられ、私のスリッパを冗談半分で隠した友人の元に向かいながら決意した。
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