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店の中に入って案内された席に座る。女子が好きそうなオシャレな居酒屋…私の為にこの店を選んでくれたのかな。
「それで?俺は何をしたらいいんだ?」
水沢主任はビールを、私はレモンサワーを飲みながら会話をする。
「何って?」
「七瀬が綺麗になったら俺はご褒美を準備しなきゃいけないんだろ?」
覚えてたんだ。でも私は水沢主任に綺麗になったって言わせたかっただけだし。
「いえ、綺麗になったって言って貰えただけで満足です。私は水沢主任がきっかけで変わる事が出来ました。ありがとうございます」
私は照れながらレモンサワーをごくごく飲む。
「…いや、それでは俺の気が済まないな」
お酒を飲んでいるからなのか、怪しげな微笑みでジッと私を見つめてくる。そんな水沢主任から私は目が離せない。
「ど、どうすれば」
私が聞くと微笑んだまま手を伸ばして、私の長い髪を触ってきた。
「何かして欲しい事はないのか?」
もう私はドキドキが爆発しそうだ。目をグルグル回しながら顔を赤くさせ、完全に自分のキャパを超えていた。
「わ、私はまだまだ綺麗になりますから…ここがゴールじゃないんです!だからご褒美はまだいいんです」
私は椅子から立ち上がり、声を張り上げて言う。周りの目もありすぐに座って喉を潤す。
「そうか。じゃあ綺麗の続きを側で見届けないとな」
その後も私は自分磨きを怠る事なく、毎日スキンケアを頑張っている。
全ては貴方の為に…
ー END ー
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