全ては貴方の為に…

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そして数日後の残業中、 「あ〜やっと終わった」 ずっとパソコンと向き合っていたので肩コリが凄い。座ったまま左手で肩を押さえて右腕をグルグル回し、コリをほぐし始めた。 ドカッ 勢いよくグルグル肩回しをしていた腕が何かにぶつかったみたい。椅子に座ったまま後ろを振り返る。 「み、み、水沢主任!?」 振り返った先にいた水沢主任はみぞおち辺りを押さえて悶絶していた。 うん、これ…絶対私の手が水沢主任にヒットした雰囲気だよね。 やばい怒られる。血の気がサーっと引くような感覚に陥りながら、慌てて椅子から立ち上がった。 「すみません。私…わざとじゃないんです」 「わざと殴られてたまるか」 水沢主任はそう言うと何かでまた私の頭をコツンとしてきた。 「これやるよ」 「あ、ありがとうございます」 ひとまずお礼を言って水沢主任から受け取ったものを見る。小瓶に入った飲み物かな? 「今日貰った美容ドリンクの試供品だ。ビタミンやコラーゲンが吸収できるぞ」 「はは、今は美容よりも疲労回復剤の方が欲しいです」 私は疲れ切った表情で美容ドリンクを見つめた。
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