綺麗な私はお好きですか？

全ては貴方の為に…

「そういや疲れ切った顔してるな。帰ってからちゃんと食事をとってるか？」

「仕事終わってから自炊する元気もないし、お弁当買って帰ってますけど」

水沢主任はハァっと深いため息をはく。

「疲れ、ストレス、偏った食事に栄養不足…全部肌の大敵だぞ。だいたい自己管理をしっかりしないと…」

「あっ仕事以外の説教はまた今度にして下さい」

水沢主任の話を遮るかのように私は言った。

ただでさえ残業で疲れているのに、さらに私生活へのダメ出しは流石にきつ過ぎる。

しかも…全部当てはまってるし、言い訳出来ない。

「いや仕事にも関係ある。自分の事をきちんと出来ない奴が、他人を幸せにする化粧品をプロデュース出来るのか？って話だ」

「そ、それは…」

分かってる。頭じゃ分かっていても上手くいかないんです。そう言いたかったけど、言い訳に聞こえそうで言えなかった。