全ては貴方の為に…

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「まさか気づいていたんですか!?」 「俺の観察力を舐めるなよ」 悪戯な笑みを浮かべて私の前髪から手を離した。 恥ずかしい。パパッと前髪を整えてニキビを隠す。 「あの…私、自分磨き頑張りますから結果が出たら何かご褒美下さい」 「俺としては自分磨きプラス仕事のミスをなくしてもらいたいところだけどな」 「うっそれは…」 ごもっともです、と心の中で思う。 「じゃあ一週間、仕事でノーミスだったらそのご褒美ってやつ考えてやるよ」 「本当ですか!?約束ですよ」 私の表情はパァっと明るくなった。 約束が嬉しくて私は思わず水沢主任の手を取りギュッと握る。流石の主任も驚いた表情をしていた。 「すみません、つい…」 手を握っていた事に気づきパッと離す。 「面白いな、七瀬」 「えっ何か言いました?」 私は恥ずかしさで頭がいっぱいになっていたのもあり、水沢主任の言葉を聞き逃してしまった。 「何でもない。ほらもう帰るぞ。駅まで送ってやるから早く帰る準備をしろ」 「は、はい」 バタバタしながら帰る準備をして、私と水沢主任は会社を出た。
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