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次の日の朝、少しだけど実感した。いつもより化粧ノリがいい。
そしてゆっくり湯船に浸かったおかげか疲れもいつもほど残っていなかった。
それは仕事にも影響する。前日の疲れを引きずってないせいか集中でき、サクサクと仕事が進む。
おかげで久しぶり…いや初めてかもしれない、ノーミスで水沢主任に怒られるストレスもなく気分良く仕事を終えた。
そんな日々を過ごしながら一週間が過ぎ私は今、水沢主任のデスクの前に立っている。
「やれば出来るじゃないか」
仕事のチェックをし終えた主任はニィッと私に笑顔を見せた。
「あっ、ありがとうございます」
主任の笑顔にやられてポーっとしながら自分の席に戻ろうとする。
「あっ七瀬」
「はい」
私は呼ばれて立ち止まる。すると水沢主任が立ち上がりこっちに来た。
「肌の調子も良さそうだな。ちゃんとご褒美考えておけよ」
耳元でコソッと言ってそのまま部署を出て行く。
主任気づきました?スキンケアをするうちにおでこのニキビも消えたんですよ。
私は自分のおでこを触りながら心の中で話しかけた。
自分の席に戻るとそのままデスクに顔をつけて隣に座る同僚女子の方を見る。
「美鈴どうしたの?また水沢主任に説教された?」
「いや…よく分からないけど、なんか幸せすぎて怖い」
「何それ」
同僚は不思議そうに私を見る。
ついこの前まで仕事→怒られる→残業→疲れて寝るを繰り返したのに、水沢主任のおかげで全てが変わった。
自分磨きをする余裕もないと思ってたのに全然頑張れている。
全部仕事のせいにしていたけど、ただただ私のせいだったんだな。
…反省。
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