ACT5

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ACT5

 ミヤちゃんの番が終わり、私たちも、研修期間が終了したのですが、まあ仕事内容に変わりはないということで、定時で帰ります。 机の上には、空になったお弁当箱、それもカバンに入れました。 お先に失礼します。うちの営業所は国立、学生が多いので、結構忙しいです。  男性たちはまだ、まだ来るお客様で忙しそうです。  明日からは、私が一番に着て鍵を開けるようになるため、カギを預かってきました。今までもそうだったんだけどね。でも課長が来てくれていたんだ。 これから男性たちは私より一時間遅れてきます。その代り帰りも遅くなるということです。 でも七時半から五時半まで、食事を作るときはいいけど、できるだけ残業つけて稼ごうということに、それでも週に最高五時間しかできない残業にブーイング、なので七時半には集まりご飯です。    買い物を頼まれました、帰ってきているとは言うけど一応、カバンから部屋の鍵を出そうとして歩いていると、共有の部屋の前にいるスーツ姿の男性。 お、いい男。  真面目そうな、生徒会長っていうのが似合いそうな眼鏡をかけた男性です。 彼の手にしているのは、ハンカチに見覚えがありました。あれ? わたしはこえをかけました。 「お疲れ様です、あのー、菜々ちゃんの」 顔をあげた方は結構年上に見えた、上司? 「ああ、えーと」 営業所と先週の食事当番のことを話し、ドアを開けた。 「そうか、君が、おいしかったよ、ありがとう」 「おかえり」 「ただいま、これ頼まれた分」 「サンキュー、誰?」 まだ聞いてないけど奈々ちゃんのお弁当の人。ああというしーちゃんがお茶でもいかがですか、狭いですけどどうぞといった。 中に上がってもらい、お弁当箱を預かった。 私も二つ出すとあれっというような感じ。 「まさか、二つも」 違います、同じ営業所に、同郷の先輩がいて頼まれたんです、あの辺は店もないので。 「どうぞ、熱いお茶ですが」 「ありがとう」 水谷人志さん、三十一歳、ウソ、マジで父さんぐらいに見えた。しーちゃんはかっこいいじゃんと言ってるけど、人の見た目なんて好みだもんね。 「菜々ちゃんに聞いてませんか?」 何も聞いてませんと私も向かい側に座った。 体を壊して入院していて、出てきたのはいいが、また同じ食生活で、彼女のお弁当を見たらなんだかね、そうしたら作るように頼みますっていうから、自分で作るんじゃないのか聞いたら色々話してくれたというのだ。 「そうか、月曜からちょっと変わったのは宮園さんていう子が作ってくれていたんだね」 「今週は彼女で来週は菜々ちゃんですよ、期待しないでというけど、私たちは冷凍食品でもいいって言ってあるんで」 「でも、よく考えたね、食堂か」 私たち六人がつかえればいいと思っていたんですけどね。 これ私の田舎のおせんべいですどうぞ。 「南部せんべい、東北の子か、俺は親戚が宮城にいる、地元は群馬なんだ、いただきます」 パリッと食べ、お茶をすすった。 「君たちだけじゃないのかい?」 そこにただいまという声がした。よっちゃんが帰ってきた。 誰?と聞かれ紹介。 二人して頭を下げ、彼女は勝手にし始めた。 さっきの話の続きですが、二人の男性が夜だけ食事を取りに来ている話をした。 カレンダーには、来ますと名前が入ってます。 彼らもまたお弁当組。 水谷さんはハハハと笑っていらした。 男一人だと、どうも食べるのが億劫になってしまってね、結局これだよと、お腹をさすりながら言った。 「よろしければ水谷さんも来ます?大勢で食べるのもいいもんですよ、みんな田舎もんですから」 「いいのかな、そこまで甘えて」 「菜々ちゃんが誘ったんでしょ、じゃあ問題ないですよ」 「問題ないか」 食費だけはいただきます、夜は五百円、アルコールは各自で。 良ければ今晩どうですかと誘ってみた。こんばんは、またもやうちの親が送ってきたサバで作った味噌煮だ、昨日のうちに作っておいたのを温めてる。 それと今日はサラダみたい。 「サバみそかー」 「後はご飯だけですけど」 「私たち、まだ未成年なんで」 それに彼はまた笑った。 それじゃあごちそうになりに来ます。 今日は七時にはみんな集まるのでその頃おいでください。 時計を見上げ、ではその時間に来ますと言って出ていかれた。 「ねえ、ねえ、あの人、いくつかな?ダンディーだよねー!」 聞いて驚いた三十一だって。 まじで、うちのパパぐらいに思った。私もー。えーそりゃ悪いよー、私いけるかも。へー、へー。 それだけ落ち着いて見えたってことだよね。 サバだけは私が準備、うちは家族が多かったから料理は任せてとはいわないまでも、それなりかな? 「ただいまー、ごめん、いい匂い、変わるね」 私は、一度部屋に戻りお風呂に入り着替えをした。 只今とお帰りが入り混じる。 シェア二か月目、いい関係です。 いただきまーす。 「そうか石田君は新卒者なんだ」 「はい、田舎じゃ、じいちゃんばあちゃんから俺たち下の物たちまで大勢いたんで一人が寂しくて」 「それから毎晩よねー」 「文句も言わないで食べてくれてありがとうございます」 へへへと言いながら、ご当地のものが食べられるって幸せだよねと言っている。 彼のところから、海苔や干物、野菜が大量に送られてきて、朝に、お昼に大活躍です。 みんなで和気あいあい、そりゃ、こういう雰囲気もおかずですよね。 ガチャッとドアが開いた。 「サバみそまだある!」 そう言って入ってきたのは蒲池さん、それにみんなが大笑い。 聞いていたから、遅くなってもくると言っていたが。仕事が終わってまっすぐくるとは。 ジャケット脱いで、ネクタイ外して、うまい、うまいと言って食べてくれます。 山形のお惣菜、だし、野菜がいっぱいで大好きな料理です。お漬物代わりに並びます。 男性は男性同士で話しているのがいいみたいで、この三人も私たちの仲間になっていきます。
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