ACT6

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ACT6

 夏です、熱いです。  まわりまわって当番は三周目に突入しました。  お盆休みなんてありません。この時期、渋滞や人込みで、大変な思いをして帰るのはあり得ないことです。 「美穂ちゃん、何作ってるの?」 「デザート」 「うどんで?」  覗く人たち。きしめん?  まあ、いいじゃない?  これは水谷さんに食べてもらうのだ。 食が細く、甘いものが好きなわりに、太らないうらやましいが、それでも出されたものは食べている。 ただこれだけ熱いと、しんどいよね。 今日のお弁当はぶっかけそうめんでした。みんな驚いているだろうなというのはしーちゃんです。 だって、みんなの実家から送ってくるのってこの時期重なるんだもん、大量の素麺です。 作るのも大変だからね。 次の日のお弁当。 鮭とから揚げがメインです。 「ン?なんだこれ?」 みんなには小さなたっぱが別につきました。 「なんだろう、美穂ちゃんはデザートだって言ってたんだけど」 ふたを開けると、あんこときなこ。 「この緑色のは何だろう?」 「こっちはあんこですよね、うどんかな?」 水谷さんは先に甘い方に箸を伸ばしたんだって。 「オー、きなこだ、なんだかうどんに会うな、あんこもいける」 食が細くてもこういうのならみんな食べれるよね。 「美穂ちゃーん」 ン?箸をくわえたまま振り返った。 そこには小さな入れを物を持って来た蒲池さん。 どうしたの? 課長に食べられた―と半泣きの彼。 「なんだ、それ、小笠原が作ったのか?あー、お前青森、もしかして八戸の出身か?」 そうです。 そうか、懐かしくてな、はっと、うちもよくばあちゃんがお盆の最後に食べていたんだ、うどんで作ったのか? きしめんで作りました。 そうか、そうかといって、いっちゃった。 「美穂ちゃーん」 と半泣きで空っぽの入れ物を差し出す人、食べたいの?うんと言う。 「はい、はい、どうぞ」 「サンキューです」 悲喜こもごも、それでもみんなからは高評価でよかったです。 でもそれが新たな仲間を作り出すきっかけになったんです。
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