#2 同窓会(Side 侑一)

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「あいつ、バリキャリすぎて旦那とそり(・・)が合わなくなって、離婚したんだろ?」 「まあ、社内結婚だったしな。仕事ができすぎる嫁が嫌になったんだろ」 「葉月(はづき)、結婚してたのか?」  思わず口を挟むと、3人がすごく深いため息をついた。なんだよその反応、知らなかった俺が悪いみたいじゃないか。 「おまえは、昔からそうだよな。彼女がそんなに途切れない割に、相手に興味がないっていうか」 「そうそう。俺、当時の侑一の彼女から何度か相談されたわ。懐かしい」 「大学時代、一番続いたのが葉月だろ?2年くらい付き合ってたじゃねえか」 「ああ……そうだったかもしれないな」  葉月は俺と対照的で、さばさばとした活発な女の子だった。だからこそ、お互いにないものに惹かれて付き合ったのだと、あの当時は思っていた。  卒業や就職と同時にほとんど自然消滅してしまったから、交際期間については気にしていなかったけれど──そうか、そんなに付き合っていたのか。  ──同じ2年でも、随分と違うものだな。  ふいにそんな思いが頭をよぎり、世界で一番大切な彼女の顔が浮かぶ。  紗友里(さゆり)と過ごしてきたこの2年間は、あっという間だったけれどかけがえのないものだ。彼女といる時間は俺にとって必要不可欠で、愛おしくて、宝物みたいに輝いている。 「侑一、おまえさ……そんなにわかりやすいやつだったか?」 「え?」 「あの可愛い彼女のこと考えてるだろ。ニヤニヤすんなって」  元カノの話なんか出して悪かったな。所帯じみてる俺たちに、もっとノロケ話聞かせてくれよ。遼太がそう言って、俺の肩をバシバシ叩く。  そういえば、葉月の話をしてたんだな。今さらそれを思い出し、俺は本当に紗友里以外の女に興味がないんだな──そう実感して、可笑しくなってしまった。
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