#7 嫉妬と疑惑と

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「あっ……こんなところで、や……見ちゃ……っ」 「ちゃんと脚開いて……そう。ほら、すぐに入った」  かわいい、こんなに濡らして。気持ち良さそうな顔、鏡に映ってるよ。左腕でしっかりと抱きかかえられながら、髪や頬に何度も口づけられる。弱いところを知り尽くしている彼の指は、そこばかりを厭らしく突いてくる。  見られていないところなんて、知られていないところなんて、あるのかな。だって、わたしは侑一さんしか知らない。あなたに触れられること、教えられること、感じさせられることがすべてだもの──。 「あ、ゆう、いちさ……あ、っ、や、あぁんっ」 「一回()こうか?夜は長いから、何回達ってもいいよ」  こんなにかわいく感じてる紗友里を見れるのは、俺だけだよね。耳を噛まれて、大きく頷く。こんな姿、誰にも見せちゃだめだよ。長い指が中を擦り上げていく。わたしのお尻に当たっている彼自身が、さっきよりも主張しているような気がする。 「や、あっ、侑一さん、もう、だめ……そんなに、しちゃ、やあぁっ……」  あられもない水音と、侑一さんの荒い吐息が耳につく。自分のはしたない(・・・・・)声が反響して戻ってくる。暑い、熱い、気持ちいい、意識が飛んじゃいそう。達してしまう直前、逞しい腕にぐっと力が入ったのがわかった。  ──早く、めちゃくちゃに抱きたい。  しっとりとした声で吹き込まれた瞬間、下半身が甘く痺れて意識が弾け飛んだ。かわいい、紗友里。涙が溜まった目尻にキスされて、すっかり力の抜けた身体を抱き上げられた。
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