#2 同窓会(Side 侑一)

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「マジかよ。突然すぎねえか?」 「もう2年近く付き合ってて……来月から同棲することになってるんだ」 「同い年?出会いは職場か?まさか、俺らの知ってる子じゃねえだろうな」 「いや、だいぶ歳下だから」 「だいぶって、いくつだよ」 「22歳。今年で23」 「嘘だろ!」  そう叫んだのは翔平だった。「くそ、ダークホースだ」とわけのわからないことを言いながら、ジョッキに残ったぬるそうなビールを飲み干す。 「随分若い子捕まえたな。だからおまえ、歳取ってないのか」 「それ、関係あるのかな」 「写真ねえのかよ。どんな子なのか見せろよ」  え、と渋るような表情を見せると、「いいだろ。減るもんじゃないし」と遼太がニヤリと笑う。  可愛いから見せたくないんだけど、と呟いてから、去年の函館旅行で撮った写真を画面上に出した。大の男3人が身を乗り出してスマホを覗き込んでいる(さま)は、周りから見たらかなり滑稽(こっけい)だと思う。 「うわ、マジで可愛いじゃん。素直に羨ましいわ」 「この子が侑一の嫁さんか。結婚式呼べよ、楽しみにしてるから」  翔平と大樹がうんうん、と頷いている横で、遼太が「確かに可愛いな。それに、侑一と雰囲気が似てる」と目を細めた。そして──。 「でも、葉月(はづき)とは真逆のタイプだな」  ぽつりと投げられたその名前に、ああ、そういえば──と遠い大学時代を思い返す。  葉月は、今日の同窓会に来るんだろうか。大学を卒業してから会っていないし、連絡先も知らないけれど。
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