声の魔法

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だって私には声の恋人がいるから。 大好きな声の人が「おはよう、頑張れ、お疲れ様、おやすみ」を言ってくれる。 それだけで十分だ。 今日も耳がとても幸せ。 顔が見えない。声だけだから気楽でいい。 一人でいたって、声で同じ時間を過ごしてくれる。 それだけでいい。 それが私にはちょうどいい。 今日も大好きな人のラジオ配信を聴きながらベッドで横になる。 はぁ、いい声だなぁ… 「もうすぐ七夕だね。僕からいつも聴いてくれてるみんなにプレゼントしたいな」 え!プレゼント? 聞こえてきたのは、リクエストボイスプレゼントという企画。 『抽選で7名の当選者にリクエストされたボイスをプレゼントします』か。 自分の為だけのボイス…欲しい! 配信終了後、早速応募ページを開いてみた。 どんな言葉をリクエストしようかな。 まぁ、どうせ私なんかが当たる訳ないか。 でも…もし当選したら? 悩んだ末、応募欄からリクエストを送った。 自分で決めて文字を打ったくせに、改めて文字にしてみると、私なにやってるんだろ…と自分を馬鹿にしたくなった。
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