声の魔法

4/6
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
七夕の日、私の元にプレゼントが届いた。 まさか私が当選するなんて… でも本当は、七夕の日が来るのが待ち遠しかった。 本当は誰かに言われたかった。 大好きな声で私に贈られた言葉。 『キレイになったね』 聴いた瞬間、胸が苦しくなって涙が零れてきた。 だって、私だよ? ニキビだらけの肌に、目の下にはクマ。 半乾きでうねった髪の毛に、中学時代のジャージ姿の私。 お世辞にもキレイだなんて言葉は絶対に出てこない。 この言葉は努力した人に贈られるべき言葉だ。 私には似合わない。 悔しくて涙が零れ続ける。 キラキラした笑顔のみんなが羨ましかった。 恋を楽しむ姿が眩しかった。 私もキレイなりたい。 この言葉が似合う私になりたい。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!