パンツ丸見え

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 まっすぐ伸びる国道23号線。地下鉄代を浮かせるため一駅歩く。車がはね上げる埃が気になるがそこは我慢。仕事の早上がり、前方に黄色い学童帽をかぶった女の子が一人で歩いている。近づくとランドセルにスカートが挟まりお尻のパンツが丸見え。少し思案して後ろから声をかけた。「パンツ丸見えよ。」ランドセルを持ち上げるとスカートはすぐに正しい位置に戻った。女の子は何も言わない。怖かったんだろう大人の男に声をかけられて。不思議な顔つきでじっと私を見つめるものだから黄色い学童帽の上から頭をそっと押さえた。「じゃあ、おじさん行くね。」女の子は何とも無反応だった。  彼女、家に帰ったらお母さんにどんなふうに話をするのだろう。きっとお母さんは知らない人について行ってはいけないよ、なんて言うんだろうなと想像しながら白いパンツを思い出した。
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