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「シリウス……わ、わかった」
ニコは涙を堪えて彼の家を出た。鳥を呼んで空に舞い上がったニコは彼の家を二回旋回し、そして城に戻って行った。
「また飲んでいるのか」
「うるせ」
親友のカペラは、庭先で酒を飲むシリウスにため息をついた。
「王子様の妃が決まったそうだ」
「……」
ニコはわかっていなかったが、ニコはこの国では最高の美人に映っていた。彼女を見た王子がニコを気に入る事は巨人達は最初から知っていた。
「三姉妹は青の使者の家に引き取られたよ」
「まあ、そういう約束だからな」
「いいのかい?本当のことを言わないで」
「……」
するとこの場に鳥が飛んできた。そこから女がスッと飛び降りた。
「シリウス!ニコ様を知らないか?」
「マイルか。俺は知らんぞ」
「どうかしたのかい?」
テーブルの上を歩くマイルは小さな手紙をカペラに見せた。
「小さくて読めないな」
「……ここには青の国の新書を持って一人で帰ると書いてあるんだ」
「「はあ?」」
これにシリウスは、マイルに向かった。
「マイル。あいつは王子の妃になるのではないのか」
「……それは私だ。ニコ様が拒否されたので」
そういってマイルは頬を染めた。これにシリウスは一気に酔いが覚めた。
「あいつは一人で旅立ったのか?緑の国に?」
「……私はてっきりシリウスと一緒だと思った?くそ」
この話を聞いた彼はいても立ってもいられず、庭を出た。
しかし夕焼けの空に一番星が輝くだけであった。
続く
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