最終話 新たな旅

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最終話 新たな旅

その後。青の国はまた男を緑の国に旅立たせていた。それを守護する巨人達は、旅の途中、蜂に襲われていた。 そこに鳥が飛んできた。鳥に乗る者は、上空から粉を振りまいていた。これに蜂は逃げて行ったのだった。 「そこの巨人。無事か」 「ああ。おかげさんで」 鳥に乗っている娘は、巨人達のそばに飛んできた。そして近くの岩に降り立った。 「私は緑の国の警備隊長だ。ようこそ、青の国の使者よ」 そんな彼女は慣れた様子で彼らを城までの道を案内したが、巨人だけは足止めをした。 「ここから先は使者だけだ。お前達はここで野営だ。食事は運ぶ」 「はいはい」 「そこのヒゲ!はいは一回だ!」 この様子に巨人の一人は彼に尋ねた。 「シリウスさん。あの人と知り合いですか」 「ああ」 「私は知らん!……まずは水を運ぶ。ここで休まれよ」 そんな彼女は部下にこの監視を任せて立ち去ろうとした。そこに彼が話しかけた。 「ニコ。おい」 「……」 「こっちにこい。お前の声が聞こえない」 仕方なく彼女はシリウスのそばにとことこ歩いてきた。彼は首を傾げて右手を出した。そんな彼に彼女は進んだ。 シリウスは彼女を右手で優しく掴み顔の前に持ち上げた。ニコは憮然とした顔で腕を組んでいた。 「何?」 「マイルは元気にしている。三姉妹も結婚して子供が生まれた」 「……そう」
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