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─────夜─────
一人の浪士が、まわりを気にしながらひとつの空き家に入って行った。
そこには、ひとつの陰があった。
その陰が、言葉を発した。
『あなたは、何のようで来たの?』
鈴を転がすような声に、浪士はうっとりとしながら話し出す。
「おっ俺は、○○の情報を買いに来た。」
『その情報をお兄さんはいくらで買う?』
「これくらいでどうだ。」
そういって、浪士はお金がたくさんはいった袋を一つ出した。それを陰が受け取りなかをみて、置いた。そして、指を一つたてた。
『もう一つ』
「くっっ……………わかった」
浪士は苦い顔をしながらもう一つ袋を出した。
「さあ、情報をもらおうか、空雅」
『いいよ』
空雅と呼ばれた陰は、浪士に情報を渡した。
渡し終わると浪士は帰っていった。
空雅はそれを見送り、まわりに誰もいないのを確認して肩の力を抜いた。
『この仕事、楽しいけれど正体ばれないかいつもヒヤヒヤするなあ~』
そういって、楽しそうに笑っている情報屋の空雅もとい、甘味屋の用心棒、空。
空はこの時代を知るため、いろいろな情報を集めるなかで、売れそうな情報を売っていたらいつの間にか空雅と呼ばれ、正確な情報を売る凄腕の情報屋として有名になってしまった。
この事は、凛さんには内緒にしている。
危険だし。巻き込んだら悪いし。
止めようかとも思ったが、それなりに稼げるので今も続けている。
本当にやばくなったら止めよう。
僕まだ死にたくない。
そんなことを思いながらも、凛さんのお店にこっそり戻った。
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