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壬生浪士組
土方side
「副長、また例の情報屋が出たそうです。」
「そうか。報告ご苦労。」
返事を返すと斎藤は、一緒に来た沖田と共にそこに残った。
報告というのは、最近有名になった情報屋の空雅というものの話だ。
その者はとても正確な情報を売るらしい。………………………入手困難であろう情報まで。
そんな情報屋を引き込むことが出来たら、
またもし、敵になってしまったら大変なことになるであろうと思い、
正体を探っているのだが全くわからない状態だった。
「ねぇ、またあそこにいきません?あの甘味屋さん」
「総司、今行く時間はないだろう。」
「いいじゃないですか、気晴らしに。土方さんが引き込もうとしてた人もいるのですから、無駄足になることはないですし、それに………」
「それに……なんだ?」
「空くんなら何か知っていそうな気がします。勘ですが。」
こういうときの総司の勘はよく当たる。
なら、行ってみる価値はあるか。
俺は重い腰を上げた。
「明日、行くぞ。」
「わかりました。」
「甘味も空くんにも会えますね♪」
「結局は甘味か。」
「いいじゃないですか。」
この選択が、吉と出るか凶と出るか、
まだ、誰にも分からない。
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