情報屋の空雅

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空side 稔麿が来た、その次の日。 今度は土方達が来た。前と同じメンバーで だか、前来たときよりもちょっと固い印象をもった。 『いらっしゃいませ、お席はこちらです。』 「空くん」 『はい?何ですか?』 「ちょっと聞きたいことがあるんだけど今 いいですか?」 『わかりました。少しお待ちください。』 僕は凛さんに休憩をもらい、土方さん達が頼んだものと僕のおやつ用の甘味を持って戻った。 『お待たせしました。それで、なんでしょうか?』 「空くん、情報屋の空雅って知ってます?」 『………知ってますよ。』 「………………!」「………………!」 「本当ですか!教えてください!」 他二人は驚いて固まってしまったが、沖田さんは驚きながらも聞いて来た。だが、 『すみません。無理です。』 僕の答えは否だった。ばれるのが嫌だってこともあるけれど、設定的にも無理であるのは確かだ。僕の答えに沖田さんの顔が固くなってしまったがそのまま理由を聞いて来た。 「どうしてですか?」 『僕もその人に会ったことはないですし』 「じゃあなんで知っているんですか?」 僕は稔麿にも話したことを沖田さん達にもいった。説明し終わると沖田さん達は微妙な顔をしていた。 『なので無理です。』 「………そうですか。では、何か情報をもらったら教えてくれませんか?」 『それぐらいでしたら、構いませんよ。』 「ありがとうございます!」 「…………なあ紅林さん。」 突然、会話に割り込んできたのは土方さん。 『何ですか?』 「壬生浪士組に入る気はねえか?」 そんなことを聞いて来た。けれど僕は、 『入るつもりは今のところありませんね。』 そう応えた。 「理由を聞いてもいいか?」 『僕は凛さんに助けられてここにいるので恩返しが終わるまではここにいるつもりですよ。それに…』 「それに、何だ?」 『いえ、ここからは僕のことになるので、 あっそうだ!』 僕は得に隠していないが、目が見えていないことは教えた凛さん以外には知られていない。というか気づかれていない。なので、 「なんだ?」 『もし、僕が入らないもうひとつの理由がわかったら、それが分かった上で誘うなら考えますね。』 「ほう?分かった。」 そう言って土方さんは引き下がってくれた。 そしてそのままお金を払い沖田さん達を連れて、帰っていった。 なぜこんなことをしたのか、それは、 ただ単にこのままじゃ、つまらないでしょ? 後は、いざというときに話してくれたら何か僕にできることがあるかもしれないから。 お節介でもいいから、聞くだけで楽になることもあるから。僕はそう思うから。 ───目が見えなくなった頃の僕にもそんな人がいたら、何かが変わったのかな。───
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