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「あたしの弁当をたべるからには、社員旅行までに絶対にやせること」と言う言葉が真理恵から発せられた。
社員旅行。
それは、先週通達された知らせだった。秋の2泊3日の社員旅行が沖縄ツアーだということである。今回は会社が創立25年ということで、上層部が気張ったらしい。
沖縄は亜熱帯で冬でも平均気温23度あるという酷暑の島である。当然に薄着になる。
つまり痩せたかどうかは歴然とわかる環境だ。
その沖縄で真理恵はテストするということだろう。水着の着用を強制させられるか、あるいはメジャーをもってくるつもりなのか
いや、別の面から考えると、真理恵は自然食品満載のヘルシーな弁当を食べることで、健康的な体形になることを実証したいのだろうか。
栄養学を学んでいることも原田は知っていた。
しかし原田太は決断した。
ええい、毒食わらば皿までだ。
「わかりました。ヨロヨロしくお願いします」汗がどっと出る。
原田はそういいながらも痩せる自信が全くなかった。
頭を下げると自分の膨らんだ腹に直面し、恐ろしくなる。もし痩せられなかったら、どうなるかは確かめたくない。
真理恵は勝ち誇ったように微笑していた。
次の日から、真理恵は野菜中心の手づくり弁当をもってきてくれた。
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