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玄米いりのご飯と、野菜中心のおかずだった。豆腐にひじきの入ったハンバーグにいんげんの胡麻和えとセロリのピクルス。そしてれんこんのきんぴら。杏の甘煮が1つ添えられている。
「よく噛んでたべてね」といわれたが、原田はがつがつ食べた。
うまかった。しかし、味付けが物足りない気がした。机の引き出しのヤングマンドーナツに手を伸ばそうとする自分を叱咤した。
「慣れるわよ。出来合いのお惣菜や外食だと味が濃いし、おいしいと錯覚するけど、薄味に慣れると食後に甘いモノをほしいと思わなくなるわよ」と、ひとまわり小さい弁当を食べながら真理恵は言う。
塩分の多いものを食べた結果、その反動で甘いモノに行きつくらしい。
1リットルのアイスクリームパックを抱えて食べるのは、塩分が多い食事だったからなのか……
原田にとって衝撃の事実であった。
『デザートは別腹』は全くの迷信だそうである。
人には胃はひとつしかない。牛とは違う。
しかし、牛の乳でできたアイスクリームのなんと美味なことよ。草しか食べてないのになあ。
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