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「ほら、脇にはさんで」
やっと瞼をこじあけた原田の目にとびこんできたのは、真理恵のブラウスの胸元からのぞく、丸い物体の谷間だった。
「ひょえええ」原田は、飛び起きると同時に真理恵の顔にあと2センチのところに接近し、再び悶絶した。
「ああ、あ。原田くん、ダウンか。とりあえず救急車を呼ぼう」
真理恵はそうつぶやくと、所長に報告と救急要請のために携帯を操作しながら部屋をでた。
原田は救急車で運ばれ、一泊だけ入院した。中度の熱中症であった。
しかし、ねんのために病院の精密検査で、不整脈があることがわかったのだった。
「原田さんの身長からするとこの体重たしかに食事制限は必要だけれども、急激なものはかえってマイナスの面があるし、長続きしません。ビートブリードジャンプもいいですが、これからは、運動は有酸素運動をするようにして、それから、食べ物もきちんとカロリー計算をしてバランスのとれたモノを良く噛んで食べることが大切です」
と退院指導の際ドクターから言われた。
「しかし、ですね。痩せる必要があるのです。10月までに早急にです」
原田はせつせつとうったえた。
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