1.同期が居候することになりました。

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そのとき、仲林くんが意を決したように問いかけてきた。 「あ、あのさ。在原さん、だよね?」 「はい。そうですが」 「在原さんて今、彼氏いる?」 「え?」 切羽詰まった顔をして不穏な空気を醸し出してきた仲林くんに、突然思ってもみないことを訊ねられて茫然とする。 「悪いけど、確認させて欲しいんだ。早急に。今、彼氏いる?」 目を瞬かせる私に、仲林くんが再度訊ねてくる。 何故だか、私の彼氏の有無を早急に知りたがる仲林くんに、俄かに胸が鼓動した。 どうして仲林くんはそんなこと知りたいんだろう。 もしかして私、今モテ期⁉︎ 気になってるのは断然松野くんだけど、仲林くんだってもし告白とかされちゃったらときめいちゃうくらい充分にイケメンだ。 「彼氏は、いないけど」 気になってる人はいる。そんなニュアンスを含ませながら答えたつもりなのに、仲林くんがパッとその瞳を輝かせた。 「よかった!やっぱりいないんだ。そうなんじゃないかなーって思ったんだよね」 あれ。なんだかこの人、何気にすごく失礼なこと言ってない? 怪訝に眉を寄せていると、持っていたスーツケースを放り出した仲林くんが駆け寄ってきて私の手を両手でぎゅっと包む。
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